論文ID: 11344
【目的】本研究の目的は,3D-to-2D レジストレーションを用いての動的な外転運動における肩甲上腕関節の回旋角度を無負荷時,負荷時で比較検討することである。【方法】対象は健常成人18 例18 肩,平均27.9 歳(23 ~38 歳)である。方法は,まずX 線透視像で肩甲骨面上での自動外転運動の動態撮影を無負荷時と3 kg 負荷時の二種類で行った。その後,3D-to-2D レジストレーションを用いて上腕骨・肩甲骨の三次元動態を推定した。得られた結果から肩甲上腕関節における上腕骨の回旋角度を算出し,無負荷群と3 kg 負荷群の比較を行った。【結果】下垂位から最大外転位までで上腕骨は無負荷時では26.5°,3 kg 負荷時では16.8° 外旋した。外旋角度は両群間で有意差を認めなかった。【結論】健常肩では肩甲上腕関節における上腕骨の回旋は3 kg の負荷では影響を受けないことが考えられる。