論文ID: 11393
【目的】本研究は,マーカーレスで簡便に動作計測が可能なKinect を用いて脳卒中片麻痺患者のリーチ可能なワークスペース(Reachable Workspace:以下,RWS)を評価し,従来の臨床評価指標との関係から,上肢運動機能評価手法としての併存的妥当性を検証することを目的とした。【方法】対象は脳卒中片麻痺患者20 名とした。8 パターンの上肢動作遂行中における手部の空間座標データから麻痺側および非麻痺側のRWS を評価した。非麻痺側RWS に対する麻痺側RWS の比率(以下,RWS 比)とFugl-Meyer Assessment 上肢項目(以下,FMA-UE)の合計点について,Spearman の順位相関係数を用いて相関関係を検討した。【結果】RWS 比とFMA-UE は強い正の相関を示した(r = 0.88, p < 0.01)。【結論】RWS 評価は麻痺側上肢の近位運動機能を定量的に評価する指標として妥当であることが示された。