論文ID: 11405
【目的】目的は管理職の臨床指導場面における怒りの一次感情を明らかにすること,性格特性と怒り喚起の関係を明らかにすることである。【方法】自記式アンケートにて,基本項目,性格特性,怒り感情を調査した。対象は30 ~54 歳(平均40.4 歳)の管理職の男性理学療法士22 名とした。怒りの一次感情は12 個の選択語から抽出した。各調査項目間の相関にはSpearman の順位相関分析を用いた。【結果】怒りの生じる指導場面は,後輩指導が21 件で最多。怒りの一次感情は,「困った」「心配」が高頻度出現。性格特性と各調査項目の相関は,外向性と敵意(r = –0.46),協調性と怒り喚起(r = 0.52),自尊感情と怒り喚起(r = –0.49)などに有意な相関が認められた。【結論】管理職の指導場面における怒りの一次感情は,「困った」等が多かった。また,協調性があり,勤勉でなく,自尊感情が低い指導者に怒り喚起しやすいことが示唆された。