理学療法学
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長母趾屈筋の損傷でClaw toe 変形が後遺し,Forefoot rocker 機能が破綻した歩行障害に対する理学療法の経験
深田 亮村田 淳
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論文ID: 11633

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抄録

【目的】長母指屈筋(以下,FHL)の損傷で母趾と示趾にClaw toe 変形が後遺し,Forefoot rocker 機能が破綻した歩行障害に対する理学療法について報告する。【対象】左FHL を切除後に,母趾と示趾にClaw toe 変形を認めた40 歳代前半の男性である。Terminal Stance(以下,TSt)において中足趾節関節が伸展するとFHL が伸張し,母趾と示趾のClaw toe 変形が増悪し疼痛が発生した。【方法】Forefoot rocker 機能を再獲得するために中足趾節関節の伸展を抑制したヒールレイズ,片脚膝立ち位でのステップ,8 の字固定バンドつき足底板を試みた。【結果】術後175 日後,母趾と示趾のClaw toe 変形は後遺したが歩行時の母趾底側先端の疼痛は消失し海外旅行が達成できた。【結語】TSt においてFHL を伸張させずに,かつ足底外側荷重を促すことで歩行時の疼痛は消失し,歩容の改善が得られた。

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