理学療法学
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高度内反を伴う大腿骨遠位偽関節に対する膝関節固定術後の一症例
河原 常郎深江 航也阿部 祐樹伯川 聡志藤森 龍平中嶋 隆行大森 茂樹
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論文ID: 11712

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抄録

【目的】膝関節固定術後という稀有な症例を経験し,理学療法を展開する中で縦断的な歩行解析の結果,その特徴と新しい運動パターンの習熟の過程を示すことができたので報告する。【症例紹介】多発骨折後,2 度の手術を経て膝関節固定術に至った50 代男性であった。【治療プログラムと経過】回復期病院入院中は非荷重から開始し,荷重量増加に合わせ身体機能向上を図った。退院時には身体機能や動作能力は一定水準に向上したが,1 歩行周期ごとのバラつきが多いなどの特徴を認めた。なかでも術側立脚期を構成する股関節前額面上の動きに注目し,外来クリニックにて運動パターン習得を目的に治療を継続した。結果,改善は認めたが,術側股関節最大伸展角度出現遅延,術側足関節最大底屈角度減少,床反力2nd ピーク値減少といった特徴は残存した。【結語】膝関節固定術後症例は,同年代と遜色ない動作能力の獲得は可能となったが,術側膝関節以外の角度変化や床反力に特徴を示した。

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© 2020 日本理学療法士学会
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