論文ID: 11795
【目的】体動に伴う酸素飽和度の低下により離床に難渋した腎移植後ニューモシスチス肺炎の症例に対し,人工呼吸器管理中からTilt Table を用いた受動立位練習を施行し,筋力,ADL の改善を認めたため報告する。【症例と方法】70 歳代男性,7 年に生体腎移植施行。ニューモシスチス肺炎の診断でICU 入室となった。関節可動域練習,体位管理に加え,ICU 入室14 ~38 日目にTilt Table による受動立位練習を実施した。【結果】介入中の有害事象を認めず離床が可能であった。ICU 入室から34 日目に人工呼吸器離脱,38 日目にICU 退室,49 日目に歩行開始,67 日目Barthel Index 85 点で転院となった。【結論】早期からの鎮静中断,人工呼吸器離脱が困難であった重症患者に対して,早期よりTilt Table を用い受動立位練習を実施したことにより安全な離床,筋力およびADL 低下を予防できた可能性がある。