理学療法学
Online ISSN : 2189-602X
Print ISSN : 0289-3770
ISSN-L : 0289-3770

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

長期人工呼吸管理中に受動的な立位練習施行により筋力低下予防に寄与したと考えられた腎移植後ニューモシスチス肺炎の一症例
内尾 優堀部 達也圖師 将也加島 広太蜂須賀 健渕之上 昌平野村 岳志猪飼 哲夫
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 11795

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

【目的】体動に伴う酸素飽和度の低下により離床に難渋した腎移植後ニューモシスチス肺炎の症例に対し,人工呼吸器管理中からTilt Table を用いた受動立位練習を施行し,筋力,ADL の改善を認めたため報告する。【症例と方法】70 歳代男性,7 年に生体腎移植施行。ニューモシスチス肺炎の診断でICU 入室となった。関節可動域練習,体位管理に加え,ICU 入室14 ~38 日目にTilt Table による受動立位練習を実施した。【結果】介入中の有害事象を認めず離床が可能であった。ICU 入室から34 日目に人工呼吸器離脱,38 日目にICU 退室,49 日目に歩行開始,67 日目Barthel Index 85 点で転院となった。【結論】早期からの鎮静中断,人工呼吸器離脱が困難であった重症患者に対して,早期よりTilt Table を用い受動立位練習を実施したことにより安全な離床,筋力およびADL 低下を予防できた可能性がある。

著者関連情報
© 2020 日本理学療法士学会
feedback
Top