論文ID: 12005
【目的】本研究は,産後4 ヵ月時に慢性腰痛骨盤痛(low back and pelvic pain:以下,LBPP)を有する女性を対象として,産後4ヵ月時の睡眠障害が産後10ヵ月時の慢性LBPPの持続へ与える影響を調査した。【方法】本研究の対象者は,慢性LBPP を有した産後女性65 名であった。目的変数を産後10 ヵ月時の慢性LBPP の持続,説明変数を産後4 ヵ月時の睡眠障害の有無,交絡変数を年齢,BMI,出産歴,産後4 ヵ月LBPP の疼痛強度とし,多変量ロジスティック回帰分析を行った。【結果】産後10 ヵ月においても慢性LBPP が持続した女性は,対象者全体の37% であった。産後4 ヵ月時の睡眠障害は産後10 ヵ月時の慢性LBPP の持続へ有意な影響を与えた(オッズ比:6.10,95% 信頼区間:1.50–24.8)。【結論】本研究結果は,産後の睡眠障害が産後の慢性LBPP の持続の要因である可能性を示唆した。