理学療法学
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痙直型脳性麻痺児者のManual Ability Classification System と年齢を考慮した上肢機能とセルフケアの違い
楠本 泰士加藤 真希藤井 香菜子廣澤 匠松田 雅弘高木 健志
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論文ID: 12171

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抄録

【目的】痙直型脳性麻痺(以下,CP)児者の上肢機能とセルフケアについて,手指操作能力分類システム(以下,MACS)や年代別の違いと,MACS レベルⅠの脳性麻痺児者と対照児との上肢機能の違いを明らかにすることを目的とした。【方法】MACS レベルⅠ~ⅢのCP 児者64 名,健常対照児29 名を対象とし,CP 児者はMACS レベルごとに年少群と年長群に分類した。Box and Block Test(以下,BBT)と握力,Pediatric Evaluation of Disability Inventory(PEDI)のセルフケアを測定し比較した。【結果】BBT はすべてのMACS レベルで年少群と年長群で差がないが,握力とセルフケアは一部のMACS レベルで年長群の値が高かった。対照児の上肢の粗大な器用さと握力は全MACS レベルの年長群と比べて高かった。【結論】CP 児者では,上肢の器用さはMACS レベルで異なり,発達経過は健常児と異なる可能性がある。MACS レベルⅠのCP 児者でも対照児と比べて上肢機能が劣っている可能性が示唆された。

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