理学療法学
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骨盤底筋群の随意収縮が子宮動脈の血行動態に与える変化
漆川 沙弥香 森 明子日髙 正巳永井 宏達佐久間 香坂口 顕福井 淳史
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論文ID: 12384

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抄録

【目的】月経痛の一因は子宮筋の過剰収縮による虚血とされ,運動による循環動態の改善が期待される。そこで本研究では骨盤底筋群の随意収縮が子宮動脈の血行動態に与える変化を検証した。【方法】20–45歳の健常成人女性に対し,骨盤底筋群の随意収縮による子宮動脈の血行動態の変化を超音波画像診断装置で計測した。メインアウトカムは時間平均最大流速,時間平均平均流速,サブアウトカムは拍動係数,抵抗係数,骨盤底挙上率とした。計測は月経~増殖期,分泌期に実施し随意収縮前後の差を解析した。また,時間平均平均流速の随意収縮前後の変化量と骨盤底挙上率の相関を調べた。【結果】随意収縮前後で時間平均平均流速の主効果を認めた(p=0.023)。時間平均平均流速の変化量と骨盤底挙上率に相関はなかった。【結論】骨盤底筋群の随意収縮は子宮動脈の時間平均平均流速を増大した。骨盤底挙上率は収縮力を表す指標ではないため相関がなかった。

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