論文ID: 12531
【目的】脳卒中片麻痺者における病期の違いによる運動単位動員様式の特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】回復期及び慢性期脳卒中者各8名,計16名を対象とした。運動単位分解用ワイヤレス表面筋電計を非麻痺側及び麻痺側上腕二頭筋に貼付し,肘関節屈曲等尺性収縮による最大筋力の測定及び視覚追跡課題を実施した。測定された筋活動データは分解アルゴリズムに基づいて運動単位データを取得し,各病期及び麻痺の有無の2要因において運動単位動員範囲や運動単位動員閾値を探索した。【結果】運動単位動員範囲及び運動単位動員閾値は病期の要因でのみ主効果を認め,慢性期群が回復期群よりも低値を示した。一方,麻痺の要因においては主効果を認めなかった。【結論】小さい運動単位が同期的に活動し,力を制御する運動単位動員様式は,脳卒中回復期及び慢性期の病期の違いにより異なる特徴をもつことが示唆された。