理学療法学
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肩甲下筋断裂併発症例における鏡視下腱板修復術後5週の下垂位外旋可動域と術後12ヶ月の治療成績との関係
奥村 太朗 伊勢 昇平小川 侑男廣田 知佐恵桑原 康太白井 智裕
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 12555

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抄録

【目的】肩甲下筋(Subscapularis:以下,SSC)断裂併発症例における鏡視下腱板修復(Arthroscopic Rotator Cuff Repair:以下,ARCR)後5週の下垂位外旋可動域(Range of motion:以下,ROM)と術後12ヶ月の治療成績との関係を検討した。【方法】ARCRを施行した92例95肩を対象とした。術前,術後5週,3, 6, 12ヶ月の他動ROM, 再断裂の有無を術後5週の外旋25度以上(以下,H群)と20度以下(L群)およびSSC断裂併発症例群(SSC+群)と非断裂症例群(SSC−群)で比較した。術後5週の外旋25度以上に関与する術前因子とカットオフ値も算出した。【結果】ROMは術後12ヶ月までH群で高値であった。SSC断裂の有無に関わらず再断裂はH群で多かった。術前因子は結帯ROMが選択され,カットオフ値は第1腰椎であった。【結論】SSC断裂の有無に関わらず術後5週の外旋を20度に留めることは再断裂予防として有用であり,術前結帯ROMが第1腰椎以上の場合,術後5週の外旋が25度以上になる可能性が高くなる可能性が示唆された。

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