論文ID: 12575
【目的】整形外科領域の脊椎疾患者に対して,ウェアラブルセンサーで計測した加速度を用いた歩行分析に関する研究結果を系統的にマッピングすることと,既存の知見のギャップを特定すること。【方法】医中誌,PubMed, Scopus, Cochrane Libraryの各電子データベースとハンドサーチを用いたスコーピングレビューを行った。言語は日本語と英語とした。【結果】最終的に10編が採用され,主な対象は腰部脊柱管狭窄症であった。加速度波形の振幅や規則性を横断的に評価した報告が多く,疾患群において健常群よりも歩行が不安定であることが横断的にも縦断的にも示されていた。使用されていた指標には,ばらつきがあった。【結論】整形外科領域の脊椎疾患者に対する加速度を用いた歩行分析の情報は少なく,確立された指標はなかった。今後はカットオフ値の算出など,疾患特異性や介入効果を示す最適な指標の探索が必要である。