イノベーション・マネジメント
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Print ISSN : 1349-2233
論文
実験会計研究の未来
坂上 学田口 聡志上枝 正幸廣瀬 喜貴
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2020 年 17 巻 p. 21-37

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抄録

本稿は、まず会計研究における実験研究の位置づけと、さまざまな領域における実験研究の現状を紹介した上で、どのように未来を切り開いていくべきかについて、「未来志向」「因果関係」「総力戦」といった視点からその方向性を探っている。続いて、新たな方法論的な試みとして注目を集めている事前登録制度やオンライン労働市場を利用することの意義について検討をおこない、それぞれが再現可能性を高め外的妥当性の問題を解決しうる可能性を秘めていることを示す。さらに、外的妥当性へのチャレンジとして研究プラットフォームとして期待のかかるAmazon Mechanical Turk、SurveyMonkey Audience、Qualtrics等を用いたオンライン実験の動向について、「コスト」「柔軟性」「関心のある集団へのアクセス可能性」といった視点から検討するとともに、近年増加傾向にあるリーダビリティ実験など最新の実験会計研究についても概観する。最後に、今後の研究プラットフォームとして注目されているoTreeなどを利用することにより、相互作用のあるオンライン実験の可能性についての展望を示す。

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© 2020 法政大学イノベーション・マネジメント研究センター
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