イノベーション・マネジメント
Online ISSN : 2433-6971
Print ISSN : 1349-2233
論文
Facebookページにおけるネガティブ効果の発生とリレーションシップへの影響
竹内 淑恵
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2021 年 18 巻 p. 55-88

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抄録

本研究は、2,269人のFacebookユーザーを対象としたアンケート調査を通じて、Facebookページへの参加による便益(快楽的便益、情報探索的便益、社会的便益、経済的便益)がネガティブ効果を抑制するのか、あるいは、促進するのか、また、ネガティブ効果はリレーションシップ(信頼)やロイヤルティ(推奨)に対してどのように影響するのかを検討する。ネガティブ効果は、Facebookページに対する情報過負荷、苛立ち、プライバシーへの懸念、後悔で測定した。分析の結果、次の知見が得られた。

・快楽的便益と情報探索的便益は、ネガティブ効果を抑制する。一方、社会的便益と経済的便益(10%有意水準)はネガティブ効果を促進する。

・満足は後悔に負の影響を及ぼす。

・ネガティブ効果の要因間には因果関係がある。

・プライバシーへの懸念は信頼に負の影響を及ぼす。しかしながら、後悔による信頼への影響、後悔による推奨への影響は有意ではなく、仮説は棄却された。

そこで、男女や「いいね!」意図の高低などの2群間で差異を検証するために、多母集団の同時分析を行った。

・「いいね!」意図、コメント意図、シェア意図が低い場合、後悔は信頼に負の影響を及ぼす。

・コメント意図が低い場合、また、女性の場合、後悔は推奨に負の影響を及ぼす。

これらの結果に基づいて、理論と実務に対するインプリケーションを述べる。

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© 2021 法政大学イノベーション・マネジメント研究センター
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