2002 年 17 巻 3 号 p. 135-140
本稿は,加齢研究の特徴,生涯発達に関連する要因,知能の加齢研究,高齢者の性格に関する研究について紹介することを目的とした。加齢研究の特徴においては,横断法,縦断法,系列法について,それぞれの方法の特徴および長所と短所について述べた。生涯発達に関連する要因に関しては,発達と加齢に対する歴史・文化的影響の重要性について指摘し,標準歴史的影響,標準年齢的影響,非標準的影響について述べた。知能の加齢研究に関しては,Schaieの報告に基づき,最近の知能研究の到達点について考察した。高齢者の性格に関する研究においては,5因子モデルを紹介し,性格の検査法などの違いによって結果が異なる可能性を指摘した。