理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
17 巻 , 3 号
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特集
  • 徳田 哲男
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 129-134
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    ここでは,これまで人間工学で培われてきた人間中心設計という視点をもとに,高齢者などが自立した日常生活を継続してゆくための支援方法について,具体的な調査や実験事例などを通して紹介した後,これにもとづくユーザ・マシン・エンバイロンメントに関する設計モデル,および人間-環境系よりとらえた環境適応力モデルを提案した。
  • 長田 久雄
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 135-140
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    本稿は,加齢研究の特徴,生涯発達に関連する要因,知能の加齢研究,高齢者の性格に関する研究について紹介することを目的とした。加齢研究の特徴においては,横断法,縦断法,系列法について,それぞれの方法の特徴および長所と短所について述べた。生涯発達に関連する要因に関しては,発達と加齢に対する歴史・文化的影響の重要性について指摘し,標準歴史的影響,標準年齢的影響,非標準的影響について述べた。知能の加齢研究に関しては,Schaieの報告に基づき,最近の知能研究の到達点について考察した。高齢者の性格に関する研究においては,5因子モデルを紹介し,性格の検査法などの違いによって結果が異なる可能性を指摘した。
  • 島田 裕之
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 141-148
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    長期ケア施設を利用する高齢者に対して,機能的評価の方法,および転倒予防に関する知見を整理し,効果的な介入方法を検討した。高齢者の機能改善のためには,高齢者特有の特徴を把握し,包括的な機能評価によって問題点を明確にする事が重要である。本稿では,様々な臨床的身体機能検査の測定領域と目的を明らかにした。また,施設を利用する高齢者の転倒予防に関しては,決定的な介入方法は明らかとなっていないが,評価により抽出された問題点に対して,身体や環境へのアプローチを並行して行うことが重要であると考えられた。
  • 藤田 博暁, 土田 典子, 荒畑 和美, 石橋 英明
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 149-156
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    高齢社会を迎えた我が国では,加齢に伴う骨粗鬆症や骨折に対する対策は,医療のみならず社会的にも重要な問題となっている。理学療法士として大腿骨頸部骨折の治療に携わるために必要な基本的な考え方にふれ,早期離床を目指した術後理学療法の進め方を紹介する。また,適切な治療計画を設定するための「機能的予後」に関する調査結果についても紹介する。今後は骨粗鬆症・転倒の予防への介入,大腿骨頸部骨折に対する術前からの早期理学療法の導入,さらには退院後の運動機能や生命予後などを含めた,高齢者の運動機能全般に対するアプローチの必要性が求められている。
  • 荒畑 和美, 庭野 ますみ, 国分 江美佳, 藤田 博暁, 栗原 美智, 土田 典子, 内山 覚, 森 隆之, 金丸 晶子
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 157-163
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    近年,急性心筋梗塞に対する診断及び治療は,目覚ましく発展を遂げてきた。それに伴い,急性期リハビリテーションの考え方は様変わりし,高齢者においても,病前の活動性が高く,発症後心不全や重症不整脈がない患者については,早期離床,早期退院,早期社会復帰をめざしたプログラムが可能となった。しかし,一方で,病前ADL低下例,歩行障害例,重篤な合併症例が多いことは,高齢者心筋梗塞患者の特徴である。このような患者に対しては,病前ADLを目標に,リスク管理下で個人にあわせた運動療法プログラムを作成し,リハビリテーションを施行していく必要がある。
  • 関 勝夫
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 165-168
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    「患者さんを中心とする医療」とは,より質の高い医療を提供するために,患者さんの権利を尊重すると同時に,患者さんにも積極的に治療に参画して頂くことが重要であり,その一部の役割を果たす責任を大切にすることであった。このことから,埼玉医科大学附属病院が掲げた「基本理念・病院の基本方針等」は,正に一病院の健全な医療体制の構築に止まらず,我が国が直面している高齢社会を乗り切るための最大の戦略であると確信したい。この度の「医療体制改革」は,一面痛みを伴うことになるが,高齢者・障害者のリハビリテーションを見直す最大のチャンスであるとも考える。それは,我々理学療法士に反省を強いられることになったからであり,適正でしっかりした評価と治療計画に基づく治療効果を患者さんに等しく還元するとき,患者さん自らが自身の潜在能力を賦活し,一日も早く社会復帰するための一助になることができると思われるからである。
  • 吉尾 雅春
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 169-173
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    脳血管障害の理学療法は病型によってその早期対応を工夫する必要がある。特に梗塞では血圧の低下などによる病巣の拡がりに注意しなければならない。また,高齢者では廃用症候群の問題が大きいため,呼吸循環系や骨関節系などへの過負荷に注意しながら,早期から意識的に対処し,歩行補助具も積極的に活用する。歩行では,ヒトに特徴的に見られる姿勢反射あるいは荷重連鎖を背景にした適切な動作分析に基づく運動学習を図る。脳の傷害部位や程度によって機能障害やその回復の可能性は左右されることが考えられるため,プログラムは十分吟味する。高齢者のリハビリテーションは社会的要因に左右されやすく,長期入院にならないような努力が必要である。
研究論文
  • 新田 收, 安西 将也
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 175-179
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    手すりは高齢者の自立機能を支援する目的で重要である.しかし個々の身体状況にどのように適応させるか充分に検討されていない.本研究ではこうした状況をふまえ,個々人の機能を最大限に引き出す手すり形状開発に向け基礎資料収集を目的とした.調査では椅子座位から手すりを保持して起立する動作を想定し,把握条件と握力の関係について検討した.この結果握力は手すり径および手関節の状態に影響され変化することが示された.具体的には手関節中間位で手すり径が適正の場合最も握力が発揮され,尺屈位では握力が低下することが示された.
  • 対馬 栄輝
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 181-187
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    最近,理学療法における研究報告では,検査・測定に対する信頼性を検討する機会が増えてきた。それと同時に適用上の問題も出てきたと考える。信頼性係数として級内相関係数(ICC),クロンバックのα係数,Cohenの一致係数(κ係数),Kendallの一致係数(W係数)を挙げ,これら信頼性係数の特徴を個別に検討し,シミュレーションも行って正しい適用を見出すことが目的である。
     ICCは適用範囲の広い信頼性係数であるが,検者または繰り返し測定間と被検者・測定のばらつきの比によって値が決まるため,SEMの併記が必要となる。κ係数は,3人以上の検者の場合はFleissによるκ係数が適用となるが,それと比較するときは検者が2人であってもFleissのκ係数を使う方が妥当である。また,W係数とκ係数を同時に用いて両者の欠点を補うような使用が望ましい。理学療法では順序・名義尺度のデータを扱う機会が多く,ICCよりもκ係数やKendallの一致係数が適用となるケースの方が多い。しかしどの係数も利点欠点があるため,いくつかの注意点を勘案して適用する必要がある。なによりも重要なのは,データをよく観察することであり,また係数やその有意性のみに固執しないことが挙げられる。
  • 西田 裕介, 久保 晃
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 189-194
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    本学理学療法学科2年生から4年生の3学年288名(男性:143名,女性:145名),平均年齢22.0歳を対象に,血圧およびその変動要因に関する知識の現状を把握することを目的にアンケート調査を実施し,学年間で比較した。設問は,計15項目で,回答方法は多肢選択法を用い,選択肢と学年との関係をχ 2検定を用いて検討した。危険率は5%未満を有意とした。有意な関係が認められたのは,15項目中4項目のみであった(p<0.05)。その他の設問項目においては,選択肢と学年との間に有意な関係は認められず,学年による影響を受けない項目が数多く存在していることが明らかになった。
  • 一場 友実, 解良 武士, 島本 隆司, 糸数 昌文, 丸山 仁司, 大久保 隆男
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 195-198
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    抵抗負荷による呼吸筋トレーニング器具を用い健常成人男性7名を対象に,負荷量を変化させて呼吸筋活動を検討した。最大口腔内圧とその時の筋電活動,最大随意収縮時の筋電活動そして5段階の吸気・呼気抵抗負荷時の口腔内圧とその時の筋電活動を記録した。測定筋は吸気補助筋群(胸鎖乳突筋,僧帽筋),呼気筋群(外腹斜筋,腹直筋)である。筋電活動レベルの評価には,最大随意収縮時の筋電活動に対する百分率を用いた。結果として吸気・呼気口腔内圧と負荷量の間には,直線的な関係が認められた。また筋電活動と負荷量を二要因とする二元配置の分散分析の結果は有意な主効果が認められたが,その筋の活動は各筋群間によって差が認められた。吸気負荷では胸鎖乳突筋の筋電活動が最も高値を示し,全ての筋において筋の活動は負荷量増加に伴い直線的に増加した。呼気負荷では外腹斜筋の筋電活動が低負荷から高値を示したが,その他の筋は負荷量増加によっても著明な活動は呈さなかった。
  • 加辺 憲人, 黒澤 和生, 西田 裕介, 岸田 あゆみ, 小林 聖美, 田中 淑子, 牧迫 飛雄馬, 増田 幸泰, 渡辺 観世子
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 3 号 p. 199-204
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/21
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,健常若年男性を対象に,水平面・垂直面での足趾が動的姿勢制御能に果たす役割と足趾把持筋力との関係を明らかにすることである。母趾,第2~5趾,全趾をそれぞれ免荷する足底板および足趾を免荷しない足底板を4種類作成し,前方Functional Reach時の足圧中心移動距離を測定した。また,垂直面における動的姿勢制御能の指標として,しゃがみ・立ちあがり動作時の重心動揺を測定した。その結果,水平面・垂直面ともに,母趾は偏位した体重心を支持する「支持作用」,第2~5趾は偏位した体重心を中心に戻す「中心に戻す作用」があり,水平面・垂直面での動的姿勢制御能において母趾・第2~5趾の役割を示唆する結果となった。足趾把持筋力は握力測定用の握力計を足趾用に改良し,母趾と第2~5趾とを分けて測定した。動的姿勢制御能と足趾把持筋力との関係を分析した結果,足趾把持筋力が動揺面積を減少させることも示唆され,足趾把持筋力の強弱が垂直面での動的姿勢制御能に関与し,足趾把持筋力強化により転倒の危険性を減少させる可能性があると考えられる。
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