抄録
本研究の目的は,脳卒中片麻痺を呈する通所リハビリテーション(以下:通所リハ)利用者を対象にTime Study法によって施設内生活状況を調査し,身体活動量および時間の維持・向上という視点から検討することである。対象は脳卒中片麻痺を呈する通所リハ利用者36名(男性18名,女性18名)である。Time Study法は,来所から施設内サービス終了までの行動を1分単位で記録し,理学療法士介入・自主練習時間,理学療法士を除くリハビリスタッフ介入時間,余暇時間,休憩時間,生活活動時間,その他の7項目に分類し,全施設利用時間を100%とした百分率を算出した。その結果,対象者の施設内身体活動時間は短いものであり,また,要介護度の高い者ほど,施設内身体活動時間が低下している傾向にあった。このことから,通所リハでは,施設内身体活動時間向上を考慮したサービス提供が必要であると考えられた。