理学療法科学
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特集
骨粗鬆症と脊椎・関節疾患
宮島 剛
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2005 年 20 巻 3 号 p. 241-244

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抄録

1. 骨粗鬆症自体は疼痛をきたす疾患ではなく,骨折を生ずることによりはじめて疼痛をきたすものである。また骨粗鬆症の患者が訴える疼痛の大半は変形性脊椎症・関節症や筋源性要素などによって生ずるものである。2. 骨粗鬆症治療薬であるビスフォスフォネートの投与によって変形性脊椎症・関節症の疼痛も改善することが知られている。ビスフォスフォネート投与による疼痛軽減効果についての調査結果を紹介する。3. 脆弱性骨折を生じて治療した後に,脊椎の隣接椎体や反対側大腿骨近位端の骨折を生ずる例をしばしばみる。これは骨折およびその治療のための固定,安静,不動化などに伴って生ずる脆弱性の進行や,これらによる筋力低下が原因である。4. これらに関連して骨粗鬆症と腰下肢の疾患及び外傷についての最近の知見を加えて概説する。

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© 2005 by the Society of Physical Therapy Science
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