2006 年 21 巻 3 号 p. 233-237
一側(右)上肢PNF屈曲-外転-外旋パターンの開始,中間,終了肢位で,徒手による等尺性抵抗運動を施し,対角線上の左下肢にかかる力について検討した。被検者は右利き健常男性14名(平均20歳)。右上肢同パターンへの抵抗運動で左下肢にかかる力は,上肢開始肢位4.04±2.40 kgf,中間肢位9.01±3.00 kgf,終了肢位6.10±4.09 kgfであった。左下肢にかかる力は,上肢中間肢位への抵抗運動が,開始肢位および終了肢位に比して有意に高値を示した(p<0.05)。左下肢伸展方向の最大筋力に対する割合は,右上肢開始肢位28.8%,中間肢位61.2%,終了肢位43.7%であった。一側上肢への等尺性抵抗運動で,体幹や下肢へ運動が拡がり,力学的な反応で反対側下肢の筋活動が向上すると解釈した。