2006 年 21 巻 3 号 p. 305-310
循環器と呼吸器は非常に密接な関係にあり,呼吸理学療法を施行する上で循環器疾患に十分配慮することが必要不可欠である。近年,心臓血管外科領域では,低侵襲手術や手術後管理の進歩によって,心原性肺水腫の呼吸管理は,第一選択として非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)を行うようになり 1, 2),人工呼吸器早期離脱やその後の早期離床が可能となったことが,呼吸器合併症の発症を少なくしている大きな要因である。今回,循環器疾患に関した呼吸理学療法に焦点をあて,病態の特異性と呼吸理学療法の戦略方法,実践について述べた。