理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
特集
中枢神経系障害の姿勢制御機構に対するアプローチ
佐藤 博志
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2007 年 22 巻 3 号 p. 331-339

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抄録
神経学的障害を持つ患者が機能的活動を再獲得するための過程において,患者が持つ潜在能力を適正に捉え,その顕在化を阻害している因子を改善することは,その評価と治療的アプローチにおける課題である。これらの患者の多くは姿勢制御不全を来たし,機能的活動の阻害因子となっている。随意運動としての行動の発現には姿勢制御が先行すること,姿勢制御のためには異なる種類の多くの感覚入力が必要である事などを考慮すると,姿勢制御を獲得する過程が適応行動の神経基盤として重要であると考える。本稿では臨床的な視点での姿勢制御の構成要素に注目し,神経学的障害を持つ患者の評価と治療的アプローチについて述べる。
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© 2007 by the Society of Physical Therapy Science
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