2008 年 23 巻 1 号 p. 47-53
本研究の目的は,異なる摩擦抵抗の支持面上で立位をとっているとき,外乱に対して下腿筋活動の特性が変化するかどうか,そして繰り返しの施行によってその筋活動パターンが修正されるかどうかを明らかにすることである。健常男性7名を対象に実験を行った。内側腓腹筋と前脛骨筋から,EMGを導出した。実験手順は,1)ゴムマット(摩擦高い),2)木製板(摩擦中間),3)ビニールシート(摩擦低い)の3種類の支持面を用意し,その上で立位をとった被験者に,足関節底屈の角度が経時的に漸増する外乱を与えた。また,各々の条件は5回ずつ繰り返し,1施行目と5施行目のそれぞれの筋活動を記録した。その結果,内側腓腹筋の筋活動量は支持面の摩擦抵抗によって異なること,および繰り返しの施行によって筋活動パターンが修正されることが示唆された。