理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
地域在住高齢者における転倒予測テストとしてのCS-30の有用性
川端 悠士日浦 雅則
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2008 年 23 巻 3 号 p. 441-445

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抄録

〔目的〕下肢の筋力低下は高齢者の転倒のリスク要因の1つに挙げられる。CS-30(30-seconds chair-stand test)は簡便な下肢筋力評価法として近年広く使用されているが,CS-30と転倒との関係についての報告は少ない。本調査では転倒予測テストとしてのCS-30の有用性を検討することを目的とした。〔対象と方法〕地域在住高齢者135例を対象にCS-30を行い,転倒歴との関連を調査した。〔結果〕CS-30のROC曲線を作成した結果,最も統計学的に有効なcut-off値は14.5回であった。また転倒歴を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析により,算出したcut-off値の妥当性が確認された。得られたcut-off値14.5回における転倒予測の感度は88%,特異度は70%を示し, AUCも85.2%と高値を示した。〔結語〕これらの結果からCS-30の転倒予測テストとしての有用性が示唆された。

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© 2008 by the Society of Physical Therapy Science
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