2008 年 23 巻 6 号 p. 705-710
[目的]本研究では,地域在住高齢者において定期的に実施している運動の種目により,身体組成,運動機能に違いがあるかを検討した。[対象]70歳以上の地域在住高齢者83名(平均年齢75.9±4.3歳)を対象にした。[方法]身体組成,運動機能,実施している運動種目,実施頻度,実施時間および過去半年間での転倒の有無を調査した。運動種目により,対象をスポーツ群と軽運動群とに分類し,調査項目の比較検討を行った。[結果]スポーツ群では,軽運動群よりもTimed Up & Go Testが有意に速い値を示し,過去半年間の転倒経験が少なかった。さらに,スポーツ群では運動実施頻度と骨格筋量(r=0.41),膝伸展筋力(r=0.42)に有意な相関関係が認められた。[結語]定期的にスポーツを実施している高齢者は,歩行機能が良好であり転倒経験も少なく,運動の実施頻度は下肢筋力や骨格筋量と関連があることが示された。