理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
23 巻 , 6 号
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原著
  • 渡辺 学, 網本 和
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 693-698
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]半側空間無視に対する治療法については,効果の持続性と課題以外への汎化がみられるプリズム順応法が注目されているが,日常生活動作への影響については報告が少ない。本研究ではプリズム順応法が車椅子操作能力に効果が般化するか検討した。[対象と方法]左半側空間無視5例にプリズム順応法を行いその前後で車椅子による目標到達課題を行った。[結果]病巣が前頭-頭頂葉皮質下の症例で改善が良好であったが,下頭頂葉と上側頭回の皮質病変の症例では車椅子操作への効果は少なかった。[結語]プリズム順応は病巣部位により効果が異なるが,皮質下病変により左大脳半球機能が過剰に作用している症例には,プリズム順応法の効果が般化する可能性が示唆された。
  • 乙戸 崇寛, 竹井 仁, 妹尾 淳史
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 699-704
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]段階的足関節底屈筋力条件に伴う腓腹筋外側頭の筋形状指標変化を測定し,その指標計測の信頼性,及び段階的足関節等尺性底屈筋力と各筋形状指標変化との関係について検討した。「対象」健常成人男性10名を対象とした。[方法」筋形状指標を筋厚,羽状角,表層腱膜移動距離,深層腱膜移動距離とし,これらを超音波画像解析装置により測定した。運動課題は,腹臥位で膝関節0 °,足関節0°とし,5 kg,10 kg,15 kgの足関節等尺性底屈運動とした。約一週間後に同条件で再度実施した。[結果]再テスト法による級内相関係数(1.1)は,表層腱膜移動距離が0.77~0.91,深層腱膜移動距離が0.89~0.94と信頼性が高かった。一方,筋厚が0.38~0.87,羽状角が0.10~0.56と低かった。また,深層腱膜移動距離は筋力条件の増加に伴い有意に増加した(p<0.01)が,他の指標では筋力条件間に有意差がなかった。
  • 小口 理恵, 牧迫 飛雄馬, 加藤 仁志, 石井 芽久美, 古名 丈人, 島田 裕之
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 705-710
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究では,地域在住高齢者において定期的に実施している運動の種目により,身体組成,運動機能に違いがあるかを検討した。[対象]70歳以上の地域在住高齢者83名(平均年齢75.9±4.3歳)を対象にした。[方法]身体組成,運動機能,実施している運動種目,実施頻度,実施時間および過去半年間での転倒の有無を調査した。運動種目により,対象をスポーツ群と軽運動群とに分類し,調査項目の比較検討を行った。[結果]スポーツ群では,軽運動群よりもTimed Up & Go Testが有意に速い値を示し,過去半年間の転倒経験が少なかった。さらに,スポーツ群では運動実施頻度と骨格筋量(r=0.41),膝伸展筋力(r=0.42)に有意な相関関係が認められた。[結語]定期的にスポーツを実施している高齢者は,歩行機能が良好であり転倒経験も少なく,運動の実施頻度は下肢筋力や骨格筋量と関連があることが示された。
  • 平井 達也, 千鳥 司浩, 渡邊 紀子, 星野 雅代, 河合 裕美, 上野 愛彦, 井上 大輔, 原田 隆之, 牧 公子, 下野 俊哉
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 711-715
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]歩行運動において自己の出力強度を主観的に調整し,段階付けをするグレーディング能力について,若年者と高齢者を比較することで高齢者の持つ運動制御能力を評価することを目的とする。[対象]健常若年者30名,健常高齢者30名を対象とした。[方法]最大歩行速度の20%,40%,60%,80%による主観的速度での歩行を10 m歩行路で行った。最大速度に対する各主観的速度の割合をグレーディング値とし,測定の再現性と信頼性をICC,95%CIにて確認した後,対応の正確性として,グレーディング値の各目標値に対する絶対誤差,変化の正確性として,各目標値間のグレーディング値の差,出力の一貫性として,変動係数(CV)について検討した。[結果]ICCは高い値が示され,平均値は95%CIの範囲内であった。絶対誤差は20%において高齢者の方が有意に高い値であった。各目標値間の差は40%と60%の差において若年者の方が有意に高かった。CVは両群に有意差を認めなかった。[結論]高齢者の歩行速度グレーディング能力は若年者に比べ若干低下するが著明な差はないことが示唆された。
  • 水澤 一樹, 対馬 栄輝
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 717-720
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]静的姿勢保持は足圧中心動揺によって評価される。しかし足圧中心動揺パラメーター(パラメーター)には多くの種類があり解釈を複雑にするため,結果の解釈を簡略化するために静的姿勢保持5条件におけるパラメーターの相互関係を検討した。[対象]対象は健常成人24名とした。[方法]静的姿勢保持5条件(開脚立位,閉眼立位,閉脚立位,Mann肢位,片脚立位)における足圧中心動揺を10 s計測した。[結果]因子分析によりパラメーター間の共通因子を検討した結果,いずれの静的姿勢保持においても1因子しか抽出されなかった。[結語]静的姿勢保持の評価は,今回用いたパラメーターのうち,いずれか1つで代表できると考えられた。静的姿勢保持を反映するパラメーターの検討が今後の課題である。
  • 島谷 康司, 田中 美吏, 金井 秀作, 大塚 彰, 沖 貞明, 関矢 寛史
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 721-725
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究の目的は,くぐり動作を用いて,発達障害児と健常児の障害物への身体接触を比較検証することであった。[対象]5~6歳の健常児と発達障害児,各9名を対象とした。[方法]課題は7種類の遊具と高さの異なる6つのバーを交互に設置したコースを通り抜けることであった。障害物との接触回避に関する注意喚起を与えない条件,接触回避を与える条件,そして接触回避および早く移動することを促す条件の3条件を設け,それぞれ1試行ずつ行わせた。[結果]発達障害児は健常児に比べて,条件に関わらず接触頻度が高かった。また,発達障害児は腰部の接触頻度が高かった。[結語]発達障害児の接触の多さは,注意の欠陥が原因ではないと考えられる。また,視覚フィードバックを随時利用して,接触しないようにくぐり動作を行うことが困難な状況において身体接触が多いことから,身体特性情報に基づく行為の見積もりの不正確さが,発達障害児の身体接触の多さの原因であることを示唆した。
  • 小貫 睦巳
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 727-730
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究は理学療法専門学校の授業の中でソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下snsと略)を使用した新しいweb授業の試みを行いその効果を探るものである。[方法]理学療法専門学校の内部障害系理学療法学の科目において2007年10月から同2年生40名に対しsns授業を行い,その前後に一般セルフエフィカシー尺度(以下GSESと略)を測定し変化を見た。また終了時にアンケートを行いsnsを活用した学習の利点・欠点についての自由記載の結果より共通する項目等を分類し概括した。[結果]sns授業前後のGSESの変化に有意差は認められなかった。終了時アンケートの結果よりe-learningの効果に基づいたいくつかの特徴がsnsの効果として見られた。[結論]sns授業は,いつでも,どこでも学習が出来,コミュニティの中で他の学生の考えや教員のチュートリアルを受けやすく,web上に情報が残っているので繰り返し見られる環境であることが特徴であり,このことを活かしてより効率的・発展的なe-learningを推し進めることが必要である。
  • 吉澤 隆志, 藤沢 しげ子
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 731-736
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]定期試験成績に影響を及ぼす因子の検討である。[対象]当学院理学療法学科学生254名とした。[方法]アンケート結果により,学習意欲と規定した5項目について,それぞれ学生を上・中・下位群に分け定期試験成績との関係を調べた。次に,有意差の見られた学習意欲について因子分析を行い,因子の検討を行った。[結果]精神的健康度および学院への適応度におけるアンケート結果上位群は,定期試験成績も有意に高かった。更に,精神的健康度および学院への適応度におけるアンケート結果下位群において,心理的側面からコミュニケーション不全を捉えた因子が抽出された。[結語]教員としては,学生が周囲とのコミュニケーションを通し人間関係を促進する手立てが望まれる。
  • 村上 茂雄, 中原 雅美
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 737-739
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究は筋力維持増強運動としての他動的関節運動(他動運動)の効果を明らかにするとともに,その具体的方法を検討することを目的とした。[対象と方法]対象は健常男子学生39名であり,対象群と他動運動のみ実施する群,視覚的注意を伴う他動運動を実施する群に分けた。対象群と他動運動群,視覚的注意群に対し筋機能評価運動装置(BIODEX社製 BIODEX SYSTEM3)にて筋出力を計測した。[結果]対象群と比べ他動運動群は膝伸展,屈曲ともに最大トルク値が有意に低下した。視覚的注意群では,伸展最大トルク値のみ有意な低下を示し,他動運動群と比べ最大屈曲トルク値が有意に高値を示した。[結語]視覚的注意を伴う他動運動では部分的ではあるが筋出力発揮に繋がり,筋力維持増強運動として活用できる可能性が示唆された。
  • 粕山 達也, 坂本 雅昭, 中澤 理恵, 川越 誠, 加藤 和夫
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 741-745
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的」本研究は足関節背屈可動性評価として使用されている4種類の測定方法について,その標準値の検討と測定方法間の相関分析を行った。[対象]対象は健常若年男性42名84脚とした。[方法]足関節背屈角度(膝伸展位・膝屈曲位),下腿傾斜角度,母指壁距離の4種類の足関節背屈可動性評価を行った。[結果]全ての測定方法で正規性が認められ,健常若年男性の足関節背屈可動性における基礎資料としての有用性が示された。また,4種類の足関節背屈可動性の測定方法について,いずれの組み合わせにおいても有意な相関が認められた(r=0.65-0.86,p<0.01)。[結語]臨床現場に応じて測定方法の選択が可能であると考えられた。
  • 盆子原 秀三, 山本 澄子
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 747-752
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究は歩行分析における観察能力の信頼性と正確性を明らかにすることを目的とした。[対象]理学療法士(以下,PT)養成学校学生群(2年学生群24名,4年学生群26名)とPT群20名とした。[方法]ケーデンスの違いによる健常歩行の変化,模擬障害設定による歩行をビデオで観察し,歩行周期中の3つの相での関節の動きを角度として読み取るようにした。また模擬的に障害設定した歩行の原因を推定するように指示した。[結果]ターミナルスタンスでの股伸展角度が最も観察し易く,イニシャルスイングでの膝屈曲角度は観察し難く,その傾向は3群とも同様であった。PT群は障害部位に着目し原因について明確に列挙していた。[結語]経験は,関節の動きを見て識別する能力ではなく,それを認識して逸脱動作として判断し,原因を絞り込む能力に影響していることが明らかになった。
  • 太田 恵, 大畑 光司, 建内 宏重, 西村 純, 森 公彦, 市橋 則明
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 753-757
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]歩行障害を有する整形外科疾患患者に対し,体重免荷トレッドミル歩行トレーニング(Body Weight Support Treadmill Training:以下BWSTT)を施行し,その即時効果を明らかにすることを目的とした。[対象]歩行障害を有する整形外科疾患患者20名を対象とした。[方法]BWSTTを施行し,その前後の平地歩行における10 m歩行速度,歩幅,歩行中の歩きにくさ・重だるさ・疼痛の程度を比較した。[結果]BWSTT後では,10 m歩行速度の増大および歩幅の拡大がみとめられ,さらに歩行中の歩きにくさ・重だるさ・疼痛の程度はいずれの項目においても有意に低下していた。[結語]本研究により整形外科疾患患者を対象としたBWSTTでは即時効果があることが示唆された。
  • 湯浅 敦智, 吉田 英樹
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 759-763
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究では,腰部交感神経節近傍へのキセノン光照射が自律神経機能,疼痛及び運動機能へ与える影響を検討した。[対象]健常成人及び慢性腰痛症患者各15名を施行群(健常成人,慢性腰痛症患者各10名)と非施行群(健常成人,慢性腰痛症患者各5名)とに振り分けた。[方法]施行群では両側の腰部交感神経節近傍へキセノン光を10分間照射した。[結果]健常成人及び慢性腰痛症患者施行群では,キセノン光照射後の有意な交感神経系の抑制と疼痛の軽減,さらに指床間距離と膝伸展位での股関節屈曲の他動的関節可動域の増大が認められた。[結語]腰部交感神経節近傍へのキセノン光照射は,健常成人及び慢性腰痛症患者において交感神経系を抑制し,疼痛及び運動機能を改善させることが示唆された。
  • 矢島 大輔, 大城 昌平
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 765-772
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究では,脳血管障害片麻痺患者のリーチ動作を3軸加速度計により測定した。得られた時系列データの解析パラメータと運動機能障害との関連を分析し,それら解析パラメータの臨床評価尺度としての有効性を検討した。[対象]対象者は片麻痺患者19名だった。[方法]椅坐位での麻痺側および非麻痺側の前方リーチ運動の動作解析を行った。[結果]麻痺側リーチ動作は非麻痺側に比べて,線形解析によるRMS値が大きく,自己相関値が小さかった。また,非線形解析による構成次元が小さかった。これらの値は,臨床評価尺度(SIAS,Brunnstrom stage test)と関連があった。片麻痺患者の麻痺側肢リーチ動作は,非協調的で,自由度が縮小した運動特徴を示した。[結語]片麻痺患者のリーチ動作の加速度解析パラメータは,客観的な運動機能評価指標として臨床利用できることが示唆された。
  • 菅沼 一男, 丸山 仁司
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 773-776
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究は,健常人を対象とし広範囲侵害抑制調節(以下DNIC)が立位体前屈の指床間距離に及ぼす即時的効果について検討した。[対象]対象は,健常者40名(男性20名,女性20名),平均年齢20.7歳であった。「方法」方法は1日に30秒程度の間隔をあけ3回の連続した立位体前屈の指床間距離を測定することとし,各測定日間の相互の影響を考慮し,各測定日の間隔を3日間あけ,1日目,5日目,9日目に測定を行った。DINCの介入による影響を検証するために5日目の2回目のみ,手の背側骨間筋に圧迫刺激による痛み刺激を与えるDNICの介入を行った。[結果]1日目および9日目の測定値は1回目から3回目の各測定値間には有意差はみられなかった。しかし,5日目においては,男女合わせた測定値が1回目から3回目の順に-8.3±7.0 cm,0.1±6.1 cm,-0.4±6.0 cmであり有意差がみられた。[結語]DNICの介入により,立位体前屈の指床間距離の改善が認められ,少なくとも介入時および直後まで効果の持続が確認された。
  • 椿 淳裕, 田中 正二, 立野 勝彦
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 777-784
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]神経支配を失い,かつ重力負荷を失った状態での筋線維の萎縮について,支配神経の変化とともに同時に観察することで,筋萎縮における神経と筋の関係を明らかにすることができる。部分脱神経後の寡運動が脛骨神経およびヒラメ筋の形態変化に及ぼす影響を明らかにすることを目的に本研究を行った。[対象]12週齢のウィスター系雌ラット23匹を対象とした。[方法]右第5腰髄神経を切断したのち両側後肢を懸垂して,部分脱神経筋の寡運動モデルを作製した。2週後および6週後の脛骨神経髄鞘内横断面積,筋湿重量,ヒラメ筋タイプI線維横断面積の変化を観察した。[結果]腓骨神経の髄鞘内横断面積は部分脱神経側で小さい傾向にあった。寡運動下の筋湿重量とヒラメ筋タイプI線維横断面積は,2週の非手術側,6週の手術側および非手術側で有意に小さかったが,2週の手術側では有意差はなかった。寡運動下部分脱神経筋の筋線維横断面積の分布を比較したところ,2週では分布の多い箇所が2つあったが,6週では2週より小さい面積の筋線維が多く,また分布の多い箇所は1つのみあった。「結語」部分脱神経された筋を寡運動下においた場合,脱神経後2週間では神経支配の有無により萎縮の速度が異なるが,6週経過すると同程度に萎縮することが示された。
  • 甲斐 義浩, 藤野 英己, 村田 伸, 竹井 和人, 村田 潤, 武田 功
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 785-788
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]下肢周径と下肢筋力および筋組織厚の測定を行い,これら三者を総合的に分析し下肢周径測定値との関連因子を検討した。[対象]健常成人男性20名である。[方法]下肢筋力は大腿四頭筋筋力を採用し,超音波法にて内側広筋厚および大腿中央筋厚の測定を行った。また,大腿中央部および膝蓋骨上方10 cm部の周径を合わせて計測した。[結果]下肢筋力は大腿中央部周径との間に相関を認めたが,膝蓋骨上方10 cm部周径とは有意な相関は認めなかった.また,筋組織厚と周径との関連において,大腿中央筋厚と大腿中央部周径は,内側広筋厚と膝蓋骨上方10 cm部周径との関連より強い相関を示した.[結語]周径の測定値は,単純に筋力を反映するものとは言い難いが,筋組織厚と周径との関連性より,大腿中央部においては大腿遠位部に比べて筋組織以外からの影響は少なく,筋力を反映し易い部位である可能性が推察された。
  • 川田 教平, 山本 澄子
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 789-793
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究の目的は,片麻痺者の車いす片側下肢駆動動作の特徴を明らかにすることである。[対象]対象は片麻痺者4名とした。[方法]車いす一側下肢駆動動作を3次元動作解析装置VICON MXより計測した。[結果]片麻痺者の駆動の分析から,駆動期に,骨盤は後傾,非駆動側への傾斜,回旋し,上部体幹は後屈,非駆動側への側屈,回旋する傾向を示した。駆動速度の低下している片麻痺者ほど,骨盤と上部体幹が非駆動側へ偏移する傾向があった。また,身体機能評価結果から,下肢と体幹機能が低い片麻痺者では,駆動により非駆動側すなわち麻痺側へ姿勢の崩れが生じると考えられた。[結語]片麻痺者が車いすを駆動する際には非対称な姿勢を増強させることが示唆された。
  • 佐々木 賢太郎, 千田 益生, 堅山 佳美, 太田 晴之, 築山 尚司, 樋口 博之
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 795-798
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究の目的は,変性による第4腰椎の前方すべり程度と間欠性跛行(NIC)の関連性を明らかにすることであった。[対象]変性による第4腰椎単独の前方すべりを罹患する女性患者36例(66.9 ±7.7歳)であった。[方法]矢状面上レントゲン写真を用い,中間位,体幹後屈位,前屈位の3肢位における第4腰椎の第5腰椎に対する前方すべり率を測定した。NICは,神経症状によってそれ以上歩行が継続できない距離(WC)を測定し,それに反映させた。また,WC測定前に30秒間の静止立位を施行した後,自覚的疼痛強度(VAS)を測定した。[結果]重回帰分析の結果,WCと唯一,関連を認めたのはVAS(r2=0.268, p<0.01)のみであり,各肢位のすべり率,年齢およびBMIには関連性を認めなかった。[結論]本結果から,動的な症状であるNICはレントゲンによる第4腰椎のすべり程度からのみでは説明されるものではないことが示された。
  • 佐々木 賢太郎, 千田 益生, 堅山 佳美, 太田 晴之, 築山 尚司, 樋口 博之
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 799-803
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究の目的は,変性による第4腰椎の椎体動揺性(前方並進)が間欠性跛行(NIC)に及ぼす影響について検討することであった。[対象]椎体動揺性(前方並進)を呈する変性腰椎すべり症(DLS)を罹患する女性患者28例(65.9±7.9歳)であった。[方法]NICは,神経症状によってそれ以上歩行が継続できない距離(WC)を測定し,それに反映させた。動揺率は矢状面上レントゲン写真を用い,中間位,体幹後屈位,前屈位の3肢位における第5腰椎に対する第4腰椎の前方並進動揺率を測定した。また,機能評価として,指床間距離(FFD),変法ファンクショナルリーチテスト(FR)を,さらにWC測定前に30秒間の静止立位を施行した後,自覚的疼痛強度(VAS)を追加して計測した。[結果]椎体動揺率はWCと有意な関連性を認めなかった。また,FFD,FR,およびVASについても動揺率と関係性はなかったが,FR( r = .34, p<.01)とVAS(r =-.58, p<.001)についてはWCと有意な相関関係が認められた。[結論]本結果から,画像から見る椎体動揺性と症状であるWCは必ずしも関連しないことが示唆された。FRや直立位によって生ずる痛みの評価はNICを呈するDLSの病態を把握する上で有用であると考えられた。
  • 大橋 ゆかり, 篠崎 真枝, 坂本 由美
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 805-809
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究では歩行周期各相の相対的時間比率に着目して脳卒中片麻痺患者の歩行パターンを検討した。[対象]回復期病棟に入院中の脳卒中片麻痺患者18名を対象とした。[方法]歩行時の下肢の動きをビデオ撮影し,両側の立脚開始および遊脚開始の時期を抽出した。これらの時期を重複歩時間で正規化し,歩行周期各相の比率を算出した。歩行パターンは各対象者が歩行可能になってから退院するまでの期間,3週間に1回の頻度で反復測定した。[結果]歩行周期各相の比率はブルンストロームステージIIとIIIの間,およびIVとVの間で有意に異なっていた。[結語]今後は縦断的な分析も加えて,運動麻痺の回復と歩行パターンの変化の関係についてより詳細に検討したい。
  • 甲斐 義浩, 村田 伸, 大田尾 浩, 村田 潤, 池田 望, 冨永 浩一, 大山 美智江, 溝田 勝彦
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 811-815
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]高齢者女性の身体組成と身体機能との関連を検討した。[対象]地域在住の高齢者女性26名(68.2±5.4歳)である。[方法]身体組成(骨格筋量および脂肪量)および身体機能(握力,大腿四頭筋筋力,足把持力,周径,片脚立ち保持時間,歩行速度)を測定し,ピアソンの相関係数を求めて検討した。[結果]骨格筋量と上・下肢筋力との間に相関関係が認められた。一方,骨格筋量と片脚立ち保持時間や歩行速度との間には有意な相関が認められなかった。[結語]身体組成計より得られる骨格筋量は,高齢者女性においても筋力を反映する可能性が示された。しかしながら,筋力以外の影響要因が含まれる平衡機能や歩行能力との間には関連を示さないことが推察された。
  • 塩田 琴美, 細田 昌孝, 高梨 晃, 松田 雅弘, 宮島 恵樹, 相澤 純也, 池田 誠
    原稿種別: 原 著
    2008 年 23 巻 6 号 p. 817-821
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/28
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究は,静的・動的なバランス能力と筋力の相関性および静的・動的バランステストの特異性について,検討することを目的として行った。[対象]対象者は21名(21-82歳)であった。方法:はじめに,静的バランス能力として,開眼および閉眼での30秒間の静止立位での重心動揺面積を測定した。次に,動的バランス能力として,Equi-testを用いてAdaptation testを施行した。更に,筋力テストとして,膝関節伸展筋力,足関節底屈および背屈筋力を測定し,静的・動的バランス能力との相関関係を明らかにした。[結果]今回の研究結果から,静止立位での重心動揺面積と筋力には相関は認められなかった。一方で,動的バランス能力と筋力においては,有意な相関関係が認められた(p<0.05)。[結語]これらの結果より,静止立位で重心動揺面積などを単に測定することは,姿勢定位のみに対する評価であり,対象者の動作課題に対する身体能力を反映しえないと考えられた。しかしながら,動的バランス能力の測定は,下肢筋力などと相関が高く,日常生活に即した有用な姿勢制御の安定性の評価となりえると考えられた。
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