理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
観察による歩行分析の信頼性と正確性について
盆子原 秀三山本 澄子
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キーワード: 観察, 歩行分析, 経験
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2008 年 23 巻 6 号 p. 747-752

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抄録
[目的]本研究は歩行分析における観察能力の信頼性と正確性を明らかにすることを目的とした。[対象]理学療法士(以下,PT)養成学校学生群(2年学生群24名,4年学生群26名)とPT群20名とした。[方法]ケーデンスの違いによる健常歩行の変化,模擬障害設定による歩行をビデオで観察し,歩行周期中の3つの相での関節の動きを角度として読み取るようにした。また模擬的に障害設定した歩行の原因を推定するように指示した。[結果]ターミナルスタンスでの股伸展角度が最も観察し易く,イニシャルスイングでの膝屈曲角度は観察し難く,その傾向は3群とも同様であった。PT群は障害部位に着目し原因について明確に列挙していた。[結語]経験は,関節の動きを見て識別する能力ではなく,それを認識して逸脱動作として判断し,原因を絞り込む能力に影響していることが明らかになった。
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© 2008 by the Society of Physical Therapy Science
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