抄録
〔目的〕本研究はPBLテュートリアルにおけるシナリオの設定およびテューターによる学習支援の留意点について検討した。〔対象と方法〕理学療法学科1~3年生118名で,各学年のPBLテュートリアル終了当日,使用した模擬症例のシナリオとテューターの学習支援の現状についての学生アンケートを実施した。〔結果〕シナリオ総合評価は全学年で比較的高かったが,項目では全学年でシナリオ1~3の情報量に関して他項目よりも低評価であった。2年生ではシナリオPart 3の全項目が低く,シナリオ1~3の間でその評価に有意差がみられた。テューター評価も全学年で比較的高い評価で,「必要な時にいたか」が低評価であった。〔結語〕シナリオの模擬症例とテューターの学習支援は,学生にとって,ほぼ満足のいくものと思われた。シナリオでは模擬症例の情報量の改善,テューターに関してはグループ討論により多く同席する必要性が示唆された。