理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
24 巻 , 1 号
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原著
  • 水澤 一樹, 対馬 栄輝
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,足圧中心(COP)動揺パラメーターにおける静的姿勢保持間の相互関係を明らかにし,静的姿勢保持間の共通性を表すCOP動揺パラメーターを把握することである。〔対象〕健常成人24名を対象とした。〔方法〕Berg Balance Scaleの下位項目から選択した静的姿勢保持4項目(開脚立位,閉脚立位,Mann肢位,片脚立位)における足圧中心動揺を10 s計測した。〔結果〕因子分析により静的姿勢保持間の共通性を検討した結果,矩形面積は1因子しか抽出されない状況にあり,その他のCOP動揺パラメーターは2因子が抽出された。〔結語〕矩形面積が静的姿勢保持に共通するCOP動揺パラメーターと予想され,静的姿勢保持の評価は矩形面積で代表させることが可能であった。
  • 菅沼 一男, 丸山 仁司
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,広範囲侵害抑制調節(以下DNIC)を用いて伸張痛を抑制することにより,大腿部後面の軟部組織の伸張性に与える効果について立位体前屈の指床間距離を指標として,検者間の測定値に与える影響を検証し,熟練者と非熟練者による差についても検討することである。〔対象〕対象は,健常者42名(男性17名,女性25名),平均年齢20.7歳であった。〔方法〕方法は1日に1分程度の間隔をあけ3人の検者が3回の連続した立位体前屈の指床間距離を測定し,検者の違いが測定値に及ぼす影響を検討した。さらに,習熟度が測定値に及ぼす影響を検討するために2名の検者により1日2回測定を行った。〔結果〕1日に3人の検者によって行われた測定には有意差は認められなかったが,習熟度の異なる2名の検者による測定値への影響について有意差が認められた。〔結語〕DNICを利用した徒手的治療手技の効果は,習熟度の高い者が行う程,良好な結果が得られた。
  • 菅沼 一男, 丸山 仁司
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,健常人を対象とし広範囲侵害抑制調節(以下DNIC)が立位体前屈の指床間距離に及ぼす効果の持続時間について検討することである。〔対象〕対象は健常者33名(男性15名,女性18名),平均年齢21.1歳であった。〔方法〕方法は1回目に立位体前屈の指床間距離を測定,次にDNICによる介入を実施し介入中,2時間後,翌日についてそれぞれ1回目と同様に立位体前屈の指床間距離の測定を行った。〔結果〕一元配置分散分析の結果,指床間距離について有意な主効果を認めた。多重比較(Tukey HSD)により,介入中の値とその他の値との間に有意差が認められた。〔結語〕DNICの介入により立位体前屈の指床間距離は一時的に改善するものの2時間後には効果は消失し,翌日においても同様であった。
  • 上杉 雅之, 対馬 栄輝, 嶋田 智明
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 15-19
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究ではAlberta Infant Motor Scale(以下AIMS)が日本人乳幼児においても適用可能かを知る目的で,標準的なPercentile ranksに着目して,その偏りの有無を調査した。〔対象〕主に保育園5カ所に通園する保護者から同意を得た乳幼児73名であった。〔方法〕理学療法士がAIMSのテキストを翻訳し,そのガイドラインに沿って対象を評価した。〔結果〕対象者73名中Percentile ranksの5%未満に8人,5-10%に4人,10-25%に10人,25-50%に14人,50-75%に10人,75-90%に3人,90%以上に24人が含まれた。また,対象を生後12ヶ月未満に限定した場合では,有意に適合しないとはいえない(p=0.422)結果となり,適合性は悪くなかった。〔結語〕日本人乳幼児の運動発達のAIMSのPercentile ranksにおいて低値を示す傾向は見られなかった。
  • 兒玉 隆之, 村田 伸, 村田 潤, 田中 真一
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 21-24
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,高齢者における前頭葉機能の評価とされるワーキングメモリ容量を測定する日本語Reading Span Test(RST)の妥当性を検討し,RST施行時の脳機能局在性を近赤外線分光法(near-infrared spectroscopy)により検討することである。〔対象〕認知障害のない地域在住高齢者11名(平均年齢82.8±5.5歳)。〔方法〕RSTを実施し得点と試行正答率の評価を行い,RST施行中の前頭葉の活動について,酸素化ヘモグロビン(HbO2)の変化を測定し検討した。〔結果〕RST開始直後の2文条件課題(1)から最終の課題(5)までHbO2の変化率に有意な上昇が認められ,その上昇は終了時まで維持されることが確認された。〔結語〕高齢者がRSTを施行する際には前頭葉の活動が促進され,ワーキングメモリに前頭葉機能が関与している可能性を示唆した。
  • 山科 典子, 小出 かつら, 佐藤 三奈希, 上出 直人, 荻野 美恵子, 高平 尚伸
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究では,sniff nasal inspiratory pressure(SNIP)の測定再現性と,吸気筋筋力との関連を検討した。〔対象〕若年健常者40名(男女各20名,平均年齢22.2±3.4歳)とした。〔方法〕妥当性の検討では,吸気筋筋力の評価として腹部隆起力を用い,SNIPと腹部隆起力との相関を検討した。〔結果〕良好な測定再現性が認められ,さらに男女ともにSNIPと腹部隆起力との間に有意な相関関係が認められた。〔結語〕SNIPは,測定再現性が高く,さらに吸気筋筋力の評価として妥当性を有する評価方法であると考えられた。
  • 高梨 晃, 烏野 大, 加藤 宗規, 小沼 亮, 塩田 琴美, 松田 雅弘, 宮島 恵樹, 坂上 昇, 細田 昌孝, 相澤 純也, 磯崎 弘 ...
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究では,軟部組織硬度計による軟部組織模擬モデル測定時の信頼性を検討した。〔対象〕本研究に同意を得た理学療法士養成校に所属する男子学生10名とした。〔方法〕軟部組織硬度計(特殊計測社製;TK-03C)は荷重と変位を同時に測定することが可能なものを使用した。10名の検査者が3種類の異なるサンプル(1:ポリウレタン素材,2-3:粘弾性高分子化合物;ソルボ素材)をそれぞれ7回反復測定させ,荷重10 N時の変位値(mm)を求めた。〔結果〕サンプル測定時の変動係数(変動範囲)は,それぞれ5.3(2.6-10.0)%,3.9(2.3-6.1)%,5.0(2.2-9.2)%であった。検査者内信頼性は,10人全てがICC(1·1)=0.97以上であった。また,検査者間信頼性はICC(2·1)=0.96であった。さらに,すべてのサンプル間で硬度に有意差を認めた(p<0.01)。〔結語〕今回使用した軟部組織硬度計は荷重と変位を同時に測定することが可能であり,さらにその信頼性も高いことから軟部組織硬度評価の定量的評価に活用できることが示唆された。
  • 吉澤 隆志, 藤沢 しげ子
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕自己学習授業と従来授業における授業意識の比較と,学習意欲との相関を検討した。〔対象〕某A専門学校理学療法学科学生(116名)とした。〔方法〕自己学習授業と従来授業とを実施し,授業意識アンケート結果について因子分析を行い,両者を比較した。また,学習意欲アンケート結果との相関を調べた。〔結果〕自己学習授業における因子分析結果のうち第1因子(自ら授業に取り組む姿勢)および第3因子(クラスメイトとの交流)は,従来授業よりも下位尺度得点が高かった。また,第1因子は主に内発的動機づけ,第3因子は学院への適応度との相関が見られた。〔結語〕自己学習授業は,内発的動機づけや学院への適応度を高めることの出来る授業形式であると考えられた。
  • 明崎 禎輝, 山崎 裕司, 吉本 好延, 浜岡 克伺, 吉村 晋, 野村 卓生, 佐藤 厚
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は,脳血管障害片麻痺患者における6分間歩行距離と麻痺側・非麻痺側膝伸展筋力,下肢Brunnstrom stage,深部感覚障害の有無,麻痺側・非麻痺側下肢荷重率の関連について検討を行った。〔対象〕脳血管障害片麻痺患者55名で,調査時平均年齢65.1歳,発症からの平均期間98.7日であった。〔方法〕6分間歩行距離と上記項目の関連についてStepwise重回帰分析を用い分析した。〔結果〕6分間歩行距離には,調査項目の中でも麻痺側下肢荷重率が強く6分間歩行距離に関連した。6分間歩行距離300 m以上では,36例中34例が麻痺側下肢荷重率80%以上,500 m以上では9例全てが麻痺側下肢荷重率 90%以上であった。〔結語〕6分間歩行距離には,麻痺側下肢荷重率が強く関連することが示唆された。
  • 甲斐 義浩, 村田 伸, 大田尾 浩, 冨永 浩一, 松本 武士, 吉浦 勇次, 北嶋 秀一, 角 典洋
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢者女性の脊椎彎曲角と下肢筋力との関連を検討した。〔対象〕地域在住の高齢者女性52名(78.2±6.1歳)とした。〔方法〕胸椎後彎角,腰椎前彎角,大腿四頭筋筋力,下肢荷重力を測定し,ピアソンの相関係数を求めて検討した。〔結果〕腰椎前彎角と大腿四頭筋筋力および下肢荷重力は有意な相関が認められた。一方,胸椎後彎角はそれら下肢筋力との有意な相関は認められなかった。〔結語〕腰椎前彎角が減少している女性高齢者ほど,大腿四頭筋筋力や下肢荷重力が弱いことが示唆された。
  • 岡田 洋平, 大久保 優, 高取 克彦, 梛野 浩司, 徳久 謙太郎, 生野 公貴, 庄本 康治
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 49-52
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,Hoehn & Yahr(H&Y)3度以上のパーキンソン病患者において,pull testと過去1年間の転倒の有無との関係について検討することとした。〔対象〕本研究の対象は,H&Y 3度以上のパーキンソン病患者24名であった。〔方法〕評価項目はpull testと転倒歴とした。pull testと転倒との関連性について分析し,また,ROC曲線から転倒者を識別する上で最適なカットオフ値を設定した。〔結果〕転倒群は非転倒群と比較して、pull testのスコアは有意に高かった。pull testのスコアの1をカットオフ値にした際,転倒の有無を最も良好に識別可能であった(感度:94.7%,特異:60.0%)。〔結語〕pull testは,そのスコアの1をカットオフ値にすることにより,H&Y 3度以上のパーキンソン病患者の中から転倒の危険性が特に高いものを識別する上で有用な指標の1つとなる可能性が示唆された。
  • 吉川 義之, 福林 秀幸, 高尾 篤, 竹内 真, 松田 一浩, 藤本 絢子, 梶田 博之, 杉元 雅晴, 村上 雅仁
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 53-57
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究では,音叉を用いた振動覚検査を実施し振動覚と転倒の関連性を検討し,振動感知時間のカットオフ値を求めた。〔対象〕歩行が可能な高齢者63名を対象とし,認知症と中枢性疾患を有する者は除外した。〔方法〕音叉を用いた振動覚検査と運動機能検査(Timed "up & go" test,Modified Functional Reach-test,10 m自由歩行時間),転倒経験のアンケート調査を実施し,転倒群と非転倒群の比較検討を行った。〔結果〕転倒群は非転倒群に比べ振動感知時間が有意に短かった。また,振動感知時間と運動機能検査にも有意な相関が認められた。振動感知時間のReceiver-Operating-Characteristic(ROC)曲線の曲線下面積は0.89で最も大きくなっていた。カットオフ値は5.62秒であり,感度は82%,特異度は83%であった。〔結語〕高齢者に対する音叉を用いた振動覚検査は,転倒リスク評価に有効であると示唆された。
  • 鈴木 学, 細木 一成, 福山 勝彦, 郭 丹, 橋谷 美智子, 安村 寿男, 二瓶 隆一, 木村 哲彦, 丸山 仁司
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究はPT学生にProblem-Based-Learning(PBL)テュートリアルを実施し,自己学習達成レベルとグループ学習達成レベルの比較検討をした。〔対象と方法〕2007年の1~3学年の学生120名に対してPBLテュートリアル施行直後,15項目からなるアンケート表にて自己学習達成レベルとグループ学習達成レベルについて調査した。〔結果〕全学年で自己学習達成レベルとグループ学習達成レベルに程度の差はあるが,同一項目が類似した結果となった。特に問題の発想と学習項目の抽出,学習計画の立案と実行に比較的低い傾向がみられた。全学年の総合評価において自己学習達成レベルはグループ学習達成レベルに比べて低い評価で,両者の間には有意差がみられた。〔結語〕PBLテュートリアルは臨床を想定した学習が可能であり,学生が効果的な臨床推論を獲得するにはグループ学習の必要性が再認識された。
  • 城 由起子, 青木 一治, 友田 淳雄
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 65-69
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は,腰椎椎間関節症(以下,LFS)患者の脊柱アライメント(以下,アライメント)の特徴を捉え,健常者と腰痛既往者と比較し,アライメントの変化からLFSについて検討することを目的とした。〔対象と方法〕健常者とLFS患者の立位と立位体幹前屈位の胸椎後彎角(以下,TKA),腰椎前彎角(以下,LLA),仙骨傾斜角(以下,SIA),脊柱傾斜角(以下,SCI)および胸椎,腰椎,仙骨の前屈可動域を測定した。〔結果〕LFSは立位,前屈位ともに仙骨の垂直化と前屈可動域の減少を認め,TKAとLLA,LLAとSIAにそれぞれ有意な相関関係を認めた。健常者ではTKAとSIA,LLAとSIAに有意な相関関係を認め,腰痛既往者では,LLAとSIAのみ有意な相関関係を認めた。〔結語〕LFS患者のアライメントはSIAに特徴があることが明らかとなった。
  • 山田 実
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 71-76
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕“注意”の機能低下は,転倒要因の一つに挙げられている。本研究では,“注意”の機能向上によって,地域在住高齢者の転倒を予防することが可能となるのか検討した。〔方法〕対象は要介護・支援状態にない地域在住高齢者63名(平均年齢;83.3±5.9歳)とし,注意機能トレーニングと運動介入を行う群21名(注意運動群),運動介入のみを行う群21名(運動群),それにコントロール群21名に割り付けた。介入を行った2群は共に,標準的な運動介入を週に1回の頻度で6ヶ月間実施した。注意運動群では,それに加えて注意トレーニングを実施した。〔結果〕注意運動群では,二重課題条件下での歩行能力向上効果と注意機能向上効果を認めた。さらに,注意運動群でのみ介入前後6ヶ月間の転倒発生率が減少していた(24%→10%)。転倒予防には“注意”の機能向上が重要である。
  • 小林 薫, 佐藤 仁
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 77-80
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕座位足開閉テストが高齢者の転倒予測の一指標として応用可能か否かについて検討した。〔対象〕当院外来高齢者75名(男性12名,女性63名:平均年齢78.3±5.3歳)で,過去1年間の転倒の有無により転倒経験のある者(以下転倒群)と転倒経験のない者(以下非転倒群)に分けた。〔方法〕座位足開閉テストは,両群とも1回の練習後,30秒以上の間隔で2回実施し,最大値を施行回数として採用した。〔結果〕非転倒群と比較して転倒群で施行回数の有意な減少を認めた。〔結語〕座位足開閉テストが高齢者の転倒予測の一指標として応用できる可能性がある。
  • 小栢 進也, 池添 冬芽, 坪山 直生, 市橋 則明
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 81-85
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕若年者と高齢者を対象に不安定板および安定した支持面上での立位姿勢制御能力を比較した。〔対象〕若年者14名と施設入所高齢者10名を対象とした。〔方法〕不安定板上で20秒間立位を保持させた時の前後角度変動域,総角度変動,前後変位を測定した。前後角度変動域は角度変動の大きさ,総角度変動は変動した角度の総量,前後変位は平均的な傾斜角度を表す。また重心動揺計を用いて静止立位時の重心動揺面積,総軌跡長,前後方向中心変位および前後随意重心移動距離を計測した。〔結果〕若年者は総角度変動および前後随意重心移動距離のみ高齢者よりも有意に高い値を認めた。〔結語〕高齢者は不安定板の傾斜調整や最大重心移動のような随意的な姿勢制御能力が低下することが示唆された。
  • 川中 麻由美, 小森 直樹, 佐藤 拓, 挽野 瞳, 村井 恵美, 佐々木 誠
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 87-91
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,光学的流動の有無がファンクショナルリーチテスト(以下,FRT)のリーチ距離に及ぼす影響と,姿勢の相違ならびに光学的流動の有無がその自己身体能力の予測に及ぼす影響について明らかにすることである。[対象] 対象者は,健常な学生46名であった。〔方法〕坐位姿勢において光学的流動のない坐位保持,光学的流動のある電動車椅子移動,立位姿勢において光学的流動のない立位保持,光学的流動のある歩行移動の4条件の施行後,リーチ距離の予測を行わせ,FRTを行い,実測値と,実測値と予測値との誤差を条件間で比較した。〔結果〕実測値と誤差(絶対値)はそれぞれ条件間で差が認められなかった。誤差(プラスマイナス値)は,いずれの姿勢でも光学的流動を伴ったほうが有意に高値であった。立位姿勢では立位保持に比べて歩行移動で過大予測する者の出現率が有意に高かった。〔結語〕光学的流動によって自己身体能力の過大予測が生じ,特に,FRT実施の際の姿勢と同一の立位で移動すると顕著であることが示唆された。理学療法において,光学的流動を伴う課題を体験していくとき,光学的流動の影響で過大予測するマイナス面とプラス面を考慮する必要があると考える。
  • 豊田 輝, 山崎 裕司, 加藤 宗規, 宮城 新吾, 吉葉 崇, 高田 治実, 江口 英範, 坂本 雄, 石垣 栄司, 甲斐 みどり, 神田 ...
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 93-97
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕模擬大腿義足歩行を課題として,チェイニング法(介入群)と一度に歩行周期全てを指導する練習法(対照群)の効果を歩行技能変化から検討した。〔対象方法〕健常男性20名に対し,設定した歩行路の歩行時間,膝折れおよび歩行路はみ出し総回数を練習前後および1週間ごとに測定した。また,練習は初回のみとし,それぞれの指導方法で行った。〔結果〕両群ともに練習直後の歩行時間,膝折れおよび非義足側のはみ出し総回数で改善が認められた。また群間比較では,練習直後から2ヶ月後まで,介入群でより高い歩行技能が維持されていた。〔結語〕今回の介入群に用いた練習は,対照群の練習に比べより高い歩行技能を維持できることが示唆された。
  • 明崎 禎輝, 山崎 裕司, 浜岡 克伺, 吉本 好延, 吉村 晋, 野村 卓生, 佐藤 厚
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 99-102
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究では,入院期間中に下肢Brunnstrom stageの変化が認められなかった脳血管障害片麻痺患者19名を対象に,麻痺側の下肢荷重率(WBR)の推移を検討した。〔対象〕対象者の平均年齢は66.0歳,発症からの期間は51.6日であった。〔方法〕測定項目は,屋内歩行自立度,下肢Brunnstrom stage,麻痺側・非麻痺側WBR,麻痺側・非麻痺側下肢筋力,深部感覚障害の有無とした。〔結果〕退院時は入院時と比較して,屋内歩行自立度,麻痺側WBR,麻痺側下肢筋力,非麻痺側下肢筋力において有意な改善が認められた。麻痺側WBRは退院時に平均72.8%から平均83.4%と改善を示した。〔結語〕下肢Brunnstrom stageに変化が認められない患者でも麻痺側下肢荷重率は改善している可能性が示唆された。
  • 鈴木 哲, 平田 淳也, 栗木 鮎美, 富山 農, 稙田 一輝, 小田 佳奈枝, 高橋 正弘, 渡邉 進
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 103-107
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,片脚立位時の体幹筋活動の特徴を明らかにした上で,片脚立位時の体幹筋活動と重心動揺の関係を検討することである。〔方法〕健常者10名(25.1±4.4歳)を対象に,両脚立位,片脚立位時の体幹筋活動と重心動揺を測定した。〔結果〕片脚立位では,両脚立位と比べて,挙上側胸腰部脊柱起立と外腹斜筋活動増加率が有意に高かった。立脚側腰部多裂筋と内腹斜筋の筋活動増加率が高い傾向にあった。また挙上側体幹筋活動と重心動揺との間に有意な相関がみられた。〔結語〕片脚立位バランスには体幹筋活動が関与する可能性が示唆された。
  • 大槻 桂右, 鈴木 哲, 亀野 純, 渡辺 進
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 109-114
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕運動器疾患患者が歩行練習や筋力強化練習時に息切れや易疲労性を訴えることは多い。本研究は心疾患症状を有した変形性膝関節症患者に対して変形性膝関節症に対する理学療法プログラムを実施し,循環応答とBorg指数の変化を検討した。〔対象〕 当院に入院または外来受診した患者35名(うち男性5名)とした。〔方法〕 変形性膝関節症に対する理学療法を週4回の割合で4週間実施した。循環応答の計測は1分間の連続立ち座り動作後に実施した。〔結果〕 4週目の連続立ち座り動作後の収縮期血圧,脈圧,二重積は1週目と比較して,有意な低下が認められた。さらにBorg指数も有意な低下が認められた。〔結論〕変形性膝関節症が存在し,その症状に対する介入が,心疾患を併存する患者であっても有用であった。
  • 鈴木 哲, 平田 淳也, 栗木 鮎美, 富山 農, 稙田 一輝, 小田 佳奈枝, 高橋 正弘, 渡邉 進
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 115-119
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕不安定面上座位時の体幹筋活動とその際の重心動揺との関係を検討することである。〔対象〕健常者10名(25.1±4.4歳)を対象とした。〔方法〕安定面上座位と不安定面上座位での体幹筋活動と重心動揺をそれぞれ測定した。〔結果〕不安定面座位では,安定座位と比べ,腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋,腰部多裂筋で有意に筋活動が高かった。不安定面上座位においては,グローバルマッスルである腹直筋・胸部脊柱起立筋・腰部脊柱起立筋の筋活動と重心動揺との間に有意な正の相関がみられたが,ローカルマッスルの筋活動との有意な相関はみられなかった。〔結語〕不安定面上座位バランスには,グローバルマッスルに分類される腹直筋,胸腰部脊柱起立筋の筋活動が関与していることが示唆された。
  • 鈴木 学, 細木 一成, 福山 勝彦, 郭 丹, 橋谷 美智子, 安村 寿男, 二瓶 隆一, 木村 哲彦, 丸山 仁司
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 121-125
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究はPBLテュートリアルにおけるシナリオの設定およびテューターによる学習支援の留意点について検討した。〔対象と方法〕理学療法学科1~3年生118名で,各学年のPBLテュートリアル終了当日,使用した模擬症例のシナリオとテューターの学習支援の現状についての学生アンケートを実施した。〔結果〕シナリオ総合評価は全学年で比較的高かったが,項目では全学年でシナリオ1~3の情報量に関して他項目よりも低評価であった。2年生ではシナリオPart 3の全項目が低く,シナリオ1~3の間でその評価に有意差がみられた。テューター評価も全学年で比較的高い評価で,「必要な時にいたか」が低評価であった。〔結語〕シナリオの模擬症例とテューターの学習支援は,学生にとって,ほぼ満足のいくものと思われた。シナリオでは模擬症例の情報量の改善,テューターに関してはグループ討論により多く同席する必要性が示唆された。
  • 池田 崇, 鈴木 浩次, 原 洋史, 辻 耕二, 矢野 雪絵, 高木 三憲, 平川 和男
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 1 号 p. 127-130
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕低侵襲人工股関節全置換術(MIS-THA)の中でも,対象の幅広いmini-one antero-lateral incision(以下,mini-one)での術前の運動機能が術後の歩行拡大に及ぼす影響を明らかにする。〔対象〕mini-oneを実施した82例。〔方法〕82例中,術後3日目までに病棟杖歩行自立した54例と4日以上を要した28例の2群に分類し,歩行能力と術前術後の運動機能の関係を検討した。〔結果〕術後3日以内での杖歩行自立に要する条件は術前股関節外転筋力および運動機能(10 m歩行時間,Functional Reach)が良好であること,原疾患が一側性であった(p<0.05)。〔結語〕mini-oneにおいて,術前の外転筋力および運動機能から,術後早期歩行拡大の予測が可能であり,重点的な術前指導の実施が有用であることが示唆された。
症例研究
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