理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
ラット膝関節2週間固定後の拘縮に対する温浴が関節構成体に及ぼす病理組織学的影響
小島 聖細 正博武村 啓住由久保 弘明松崎 太郎渡邊 晶規
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キーワード: 拘縮, 温浴, 病理組織学
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2009 年 24 巻 2 号 p. 161-166

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抄録

[目的]ラット膝関節拘縮モデルを用い,温浴が関節構成体に及ぼす病理組織学的変化を観察することである。[対象と方法]9週齢のWistar系統雄ラット15匹(非治療群,42℃群,40℃群,38℃群,36℃群それぞれ3匹)を用いた。いずれの群も右膝関節を屈曲位で2週間ギプス固定し,温浴を行う群は42~36℃の温浴を2週間施行した。右膝関節を採取後,組織切片を作成し,ヘマトキシリン・エオジン染色を行い光学顕微鏡下にて観察した。[結果]42℃群,40℃群の関節軟骨は,広範に本来の軟骨組織とは異なる質的変化を認めたが,38℃群,36℃群では拘縮のみの変化に類似していた。[結語]関節内温度上昇が関節軟骨や滑膜組織に悪影響を及ぼす可能性があり,温浴の適応や禁忌を具体的かつ詳細に再考しなければならない。

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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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