理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
胸腰部回旋時の胸骨の動き
郭 丹
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キーワード: 胸腰部, 胸骨, 三次元座標
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2009 年 24 巻 6 号 p. 879-882

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抄録

〔目的〕胸腰部の回旋に伴う胸骨の動きを明らかにするために,空間での位置変化を計測した。〔対象と方法〕対象は健常成人男性12名であった。被検者は骨盤を固定した端座位より,左右にそれぞれ30°の胸腰部回旋動作を行った。動作前後の胸骨の上下端の空間座標値を自作した簡易空間測定装置を用いて測定し,胸骨の3次元空間上での運動を分析した。〔結果〕級内相関係数(ICC)およびCronbachの α係数を用いた2回の計測間の計測信頼性の検証では,高い相関が認められた。胸骨の正中位での空間位置は,前額面内では垂直,矢状面では内後傾しており,解剖学上の位置と一致した。胸腰部回旋時の胸骨上下端の移動距離はほぼ同程度であった。また,右回旋時には胸骨の右傾斜が,左回旋時には左傾斜する傾向が顕著に認められ,胸腰部の回旋と同方向への側屈も確認できた。〔結語〕胸腔の安定性に働く胸骨であるが,胸腔の動きと異なる固有の動きも認められた。

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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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