理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
症例研究
変形性股関節症患者に対して応用行動分析学を用いた介入の有効性に関する検討
─痛みと歩行能力向上を認めた一症例検討─
榊原 僚子加藤 宗規菅沼 一男芹田 透知念 紗嘉
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2010 年 25 巻 3 号 p. 473-479

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抄録

〔目的〕股関節痛と歩行困難を呈していた症例に対して,応用行動分析学に基づいた介入を行った結果について検討すること。〔対象〕両側変形性股関節症による股関節痛の増強により歩行不可能となり他院での4ヶ月の入院後,当院での外来通院を開始した52歳女性であった。〔方法〕1日で歩行した歩数(歩行量),歩行時痛についてベースライン測定後に行動分析を行い,規定した目標歩行量の遵守と自己記録を行動とした介入を設定した。介入の有効性について,1セッションが約3ヶ月間の7セッションの経過における歩行量,歩行時痛,使用する歩行補助具から検討した。〔結果〕行動は継続され,歩行量のばらつきと歩行時痛が減少し,歩行補助具は両松葉杖からT字杖に変化した。[結語]応用行動分析学を用いた今回の介入は,変形性股関節症で慢性的な強い歩行時痛を有していた症例に対して,理学療法士による1日の歩数を制限する指導を長期にわたり遵守させ,痛みと歩行能力の改善に影響したと考えられた。

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© 2010 by the Society of Physical Therapy Science
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