2010 年 25 巻 5 号 p. 761-765
〔目的〕現時点では理学療法の対象ではない地域在住の糖尿病患者が,将来的に理学療法の対象者となったときに備えた潜在的なリスクファクターの傾向を確認しておくことである。〔対象〕理学療法士が勤務していない診療所を調査地点とし,通院加療中の糖尿病患者18名(糖尿病群)と糖尿病を有しない患者10名(非糖尿病群)とした。〔方法〕血圧脈波検査装置を用い,脈波伝播速度と足首上腕血圧比を測定し,身長,体重,血圧,運動習慣,生化学検査値等の諸条件とともに糖尿病群と非糖尿病群で比較検討した。〔結果〕脈波伝播速度の平均値,ヘモグロビンA1c,空腹時血糖値は,糖尿病群と非糖尿病群間で有意差を認めた。〔結語〕地域に在住する糖尿病患者の潜在的なリスクファクターの傾向をとらえることができた。