2010 年 25 巻 5 号 p. 773-777
〔目的〕両上肢による支持や反対側下肢による支持の仕方で,股関節屈曲筋力値や股関節周囲筋の筋活動が異なるかどうかを検討すること。〔対象〕同意を得た健常成人男女各10名。〔方法〕股関節屈曲筋力値を両上肢による支持,反対側下肢による支持,支持なしの3条件で比較した。また,支持の仕方による股関節周囲筋への影響を確認するために,多裂筋・外腹斜筋・股関節屈曲筋群・大腿直筋・大殿筋・大腿二頭筋長頭の筋活動量を算出した。〔結果〕股関節屈曲筋力値は支持のない条件において有意に低い値を示した。両上肢による支持では両側外腹斜筋や挙上側多裂筋,反対側下肢による支持では反対側股関節屈曲筋群や反対側大腿二頭筋長頭の筋活動量が増加した。〔結語〕支持を行うことで姿勢保持筋の筋活動が上昇し,股関節屈曲筋力も増大した。