抄録
〔目的〕従来一般的に使用されている日本整形外科学会の膝関節機能評価の非互換性,非患者主導型などの問題的側面を考慮し,我々はすでに多言語に翻訳されている患者主導型評価であるのThe Knee Outcome Survey(KOS)の日本語版を試作したのでここに報告する。〔方法〕過去に行われたKOS翻訳作業と同様にForward-Backward Translationを施行した。最終的に原著者の認可を得て完成とした。〔結果〕英語版の原著者との共同作業による翻訳作業を通し表面化した問題は,単なる語彙の問題を超え,本邦における患者主導型の評価法に対する理解への不十分さを示唆した。〔結語〕今回のKOS試作報告は理学療法的診断の専門性の発展に寄与するものと考える。