抄録
〔目的〕股関節屈伸筋力とジャンプ能力との関係について検討すること。〔対象〕整形外科的疾患のない健常成人男女16名を対象とした。〔方法〕等速性筋力測定器を用いて測定された角速度60,180,および300 deg/secでの股関節屈伸筋力のピークトルク体重比と,片脚での「垂直ジャンプ」,「前方ジャンプ」,「三段跳び」,および「6 m間跳躍時間」との関係をPearsonの相関係数により検討した。〔結果〕股関節屈曲筋力では角速度180,300 deg/secと4種目の片脚ジャンプすべてとの間に相関を認めた。角速度60 deg/secの股関節屈曲筋力と「垂直跳び」との間に相関を認めた。股関節伸展筋力では4種目の片脚ジャンプとの相関を認めなかった。〔結語〕股関節屈曲筋力が関与する姿勢制御能力や着地動作能力および出力方向制御とジャンプ能力が関係したと考えられる。