2011 年 26 巻 2 号 p. 179-183
〔目的〕介護老人保健施設(以下老健施設)利用者の転倒に関連する因子について検討した.〔対象〕老健施設利用者34名.〔方法〕Modified Stroop Test(MST),Trail Making Test,改訂長谷川式簡易知能評価スケール,転倒関連行動測定,要介護度,過去6ヶ月の転倒回数を測定し,4ヶ月の前向き調査を行った.対象者を転倒群と非転倒群に分け各項目と転倒との関連について分析し,転倒予測の指標となる項目を検討した.〔結果〕転倒群ではMST Part2と転倒関連行動測定表の危険行動数及び過去6ヶ月の転倒回数が有意に増大していた.ロジスティック回帰分析ではMST Part2が転倒と有意に関連している結果を示した.〔結語〕MST,危険行動数,転倒経験は転倒予測に有用な評価であることが示唆された.