抄録
〔目的〕駆血と固定が筋萎縮に与える影響を検討すること.〔対象〕8週齢のWistar系雌ラット21固体を無作為に「固定群」,「駆血後固定群」,「駆血群」に振り分けた.「固定群」の対側肢を「正常群」とした.〔方法〕右大腿にギプス固定や駆血の処置を行った.筋萎縮評価にはヒラメ筋相対体重比とヒラメ筋線維横断面短径を用いた.〔結果〕多重比較検定の結果,ヒラメ筋相対体重比,ヒラメ筋線維横断面短径ともに「「正常群」と比較すると「駆血後固定群」「固定群」で有意に減少していた.二元配置分散分析の結果,駆血と固定での交互作用は認められなかった.〔結語〕固定により生じる廃用性筋萎縮と,駆血により引き起こされる筋萎縮はそれぞれ独立して生じることが示唆された.