理学療法科学
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原 著
股関節屈曲運動における寛骨大腿リズムおよび寛骨後傾の左右差
古後 晴基
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2011 年 26 巻 4 号 p. 521-524

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抄録

〔目的〕立位での股関節屈曲運動における寛骨後傾運動を検討すること,および左右寛骨の運動に相違があるかを検討することを目的とした.〔対象〕健常成人男性15名(平均年齢21.8±1.8歳)とした.〔方法〕矢状面にて,上前腸骨棘と上後腸骨棘とを結ぶ線が,水平線となす角度を寛骨後傾角度とし,被験者は,立位にて右股関節の自動屈曲運動を行い,股関節屈曲0°,45°,90°,最大屈曲位のときの寛骨後傾角度をゴニオメーターにて左右で測定した.〔結果〕股関節屈曲に伴い寛骨が有意に後傾した.右寛骨後傾に対する左寛骨後傾の割合は,1/2であった.また,股関節の屈曲運動に対する寛骨の後傾運動の割合は,股関節屈曲45°では1/7,股関節屈曲90°では1/6,股関節最大屈曲では1/4であり,股関節の屈曲角度が増すにつれて,骨盤後傾運動の割合が増加した.〔結語〕股関節屈曲運動において,寛骨後傾運動が行われていることが示唆され,左右の仙腸関節の運動が関与していることが推察された.寛骨大腿リズムは股関節屈曲角度が増すにつれて寛骨後傾運動の割合が増加することが示唆された.

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