抄録
〔目的〕徒手筋力検査法におけるgrade 3の筋力値(モーメントMfair:以下Mf)と最大筋力値(モーメントMmax:以下Mm)の関係を明らかにすることとした.〔対象〕健常人35名(平均年齢21.2歳)の右利き腕35肢とした.〔方法〕肩関節の屈曲,肩甲骨面挙上および外転と,肘関節の屈曲それぞれの運動における最大努力での等尺性筋収縮を実験課題とした.各実験課題での最大抵抗力を,徒手筋力測定器を用いて測定した.MfおよびMmを算出し,無相関の検定と回帰分析,共分散分析の平行性の検定を行った.〔結果〕MfとMmの間にはすべての実験課題において強い正の相関があり,得られた4つの回帰直線はすべて予測に役立つことが確認された.しかし,4つの回帰直線の平行性は棄却された.〔結語〕MfとMmの間には直線的関係が得られたが,その関係は対象とする運動により異なることが示唆された.