理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
階段昇段における動作パターンが酸素摂取量および運動効率に与える影響
吉田 忠義梁川 和也半谷 泰章矢崎 祥一郎渡辺 有佳莉藤澤 宏幸
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2011 年 26 巻 6 号 p. 759-762

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抄録

〔目的〕異なる階段昇段パターン(一足一段,二足一段)における鉛直方向への重心移動速度(速度)と階段昇段時の酸素摂取量(VO2)および運動効率(NE)の関係を明らかにすることを目的とした.〔対象〕健常成人30名を対象とした.〔方法〕階段(傾斜角30°)昇段条件は一足一段と二足一段,速度条件は3.5 m/min,7.0 m/min,10.5 m/minとした.各測定条件で昇段時間は3分間とし,昇段時のVO2および心拍数(HR)を測定し,NEを算出した.VO2,METs,HR,NEに対して昇段パターンと速度を2要因として二元配置分散分析を行った.〔結果〕両昇段条件ともVO2,HR,NEは速度に依存して増加した.一方,速度3.5 m/minのVO2は一足一段が二足一段よりも高い値を示したが,速度10.5 m/minのVO2は二足一段が一足一段よりも高い値を示した.〔結語〕速度とVO2の関係における一足一段と二足一段の差異の形成には,NEが関係していることが示唆された.

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© 2011 by the Society of Physical Therapy Science
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