理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
蛋白同化ホルモン投与による脳卒中片麻痺側下肢筋力の経時変化
冨田 憲園田 茂谷野 元一岡本 さやか永井 将太和田 陽介寺西 利生
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2012 年 27 巻 1 号 p. 1-5

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抄録
〔目的〕脳卒中片麻痺患者に対して蛋白同化ホルモン(以下,AS)を投与し,歩行や日常生活に即した訓練を中心に行う一般的な理学療法・作業療法とAS投与の併用が麻痺側下肢筋力に及ぼす効果を検討した.〔対象〕回復期リハビリ病棟に入院した初発脳卒中片麻痺患者19名とした.〔方法〕対象を,AS投与群(以下,AS群)とAS非投与群(以下,CT群)にランダムに振り分けた.麻痺側下肢筋力として,麻痺側の等速性膝関節伸展トルクを測定した.介入期間は6週間とし,AS群とCT群の麻痺側下肢筋力の経過を比較した.〔結果〕全症例での検討では両群間の筋力増加率に有意差を認めなかった.一方,麻痺が軽度な症例では6週後のAS群の筋力はCT群と比べ有意に増加していた.〔結語〕ASの投与は麻痺が軽度の脳卒中片麻痺患者の麻痺側下肢筋力を増強することが示唆された.
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© 2012 by the Society of Physical Therapy Science
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