2012 年 27 巻 3 号 p. 257-261
〔目的〕介護老人保健施設入所車椅子使用者を対象に,転倒発生状況と関連要因を検討した.〔対象〕車椅子使用高齢者で,車椅子を自走する123名とした.〔結果〕調査期間内に転倒した者は68名(女性42名)で,そのうち21名が入所から2カ月以内に転倒していた.転倒場所はベッドサイドとトイレに集中しており,転倒の方向は後方転倒が74%を占めた.〔結語〕車椅子使用者の転倒予防には,入所早期の適切な転倒リスクアセスメント,居室環境と排泄関連動作の安全性を向上させる必要性が示唆された.