2012 年 27 巻 3 号 p. 249-255
〔目的〕姿勢最適化トレーニングのモデルとしてファンクショナル・リーチ(FR)を取り上げ,internal focus of attention(IFA)教示に対して,パフォーマンスの知識(KP)を与えた場合の運動学習への効果を明らかにすることを目的とした.〔対象〕健常大学生23名とした.〔方法〕プレテストにてFR距離および重心位置を測定した後,被験者をIFA群とコントロール群に割り付けた.その後,5日間連続でFR動作の練習期間を設け,IFA群にのみIFA教示とKPを与えた.練習期間終了の翌日と1週間後における保持テストの測定値を群間比較した.〔結果〕IFA群は練習期間の経過に伴い,練習日内の前半に最大のパフォーマンスを示す傾向がみられた.〔結語〕KPを組み合せたIFA教示はパフォーマンスの即時的な発揮を促す可能性が示唆された.