2012 年 27 巻 3 号 p. 297-301
〔目的〕早期在宅復帰に向けた回復期リハビリテーション(リハ)病棟への転院に適した脳卒中患者の条件を明らかにすることを目的とした.〔対象〕回復期リハ病棟に入院した脳卒中患者118名とした.〔方法〕背景,退院計画の内容,入院経過,神経症候,日常生活活動(ADL)を評価し,その値を在宅復帰群と施設・転院群の2群間で比較した.〔結果〕年齢,性別,同居家族数,発症から転院までの日数は両群間で差を認めなかったが,在院日数,入・退院時の神経症候・ADL,ADLの改善度は両群間で差を認めた.また,在宅復帰群は施設・転院群に比べて,同居家族によるADL介助を前提とした在宅復帰の希望が多かった.〔結語〕同居家族が患者の病状を認識してADL介助に協力的であることが,回復期リハ病棟への転院において重要である.