2012 年 27 巻 4 号 p. 391-395
〔目的〕虚弱高齢者用10秒椅子立ち上がりテスト(Frail CS-10)がパーキンソン病患者に応用可能か否かを検討した.〔対象〕パーキンソン病患者21名とした.〔方法〕Frail CS-10と従来から下肢筋力の代表値として用いられている大腿四頭筋筋力を測定し,下肢機能の指標(重心動揺,TUG,5 m最速歩行,10 m障害物歩行,FIM-M)との関連を検討した.〔結果〕Frail CS-10はTUG,10 m障害物歩行およびFIM-Mとの間に有意な相関を示した.一方,大腿四頭筋筋力は,すべての身体機能との間に有意な相関を示さなかった.〔結語〕従来から下肢筋力の代表値として用いられている大腿四頭筋筋力よりもFrail CS-10の方が,パーキンソン病患者の下肢機能を推測するための簡便な評価法である.