理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
27 巻 , 4 号
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原著
  • 片山 訓博, 大倉 三洋, 山﨑 裕司, 重島 晃史, 酒井 寿美, 栗山 裕司, 稲岡 忠勝, 宮﨑 登美子, 柏 智之, 藤本 哲也, ...
    2012 年 27 巻 4 号 p. 357-361
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕常圧低酸素環境における低強度運動時の呼吸循環代謝応答を測定し,エネルギー代謝に与える影響について検討した.〔対象〕健常成人男性13名.〔方法〕通常酸素濃度条件(1.0 atm,酸素濃度20.9%)と常圧低酸素条件(1.0 atm,酸素濃度14.5%)を設定した.両条件下でATポイントの70%負荷による自転車エルゴメータ運動を行った.実験中,酸素飽和度,心拍数,呼気ガスデータを測定した.〔結果〕低酸素条件では,通常酸素条件に比べ,運動時心拍数,分時換気量が有意に高値を示した.低酸素条件は,通常酸素条件に比べ,脂肪酸化率は有意に低かった.逆に,ブドウ糖酸化率は有意に高く,エネルギー代謝は亢進していた.〔結語〕常圧低酸素環境下の運動によって,糖質利用が促進される可能性が示唆された.
  • 柳川 竜一, 成田 崇矢, 新井 法慶, 藤田 直樹
    2012 年 27 巻 4 号 p. 363-366
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕野球選手の傷害予防策を構築するため,大学野球部員の肩甲骨位置,および肩甲骨位置と肩関節内外旋筋力との関係を明らかにすることである.〔対象〕大学野球部員29名,大学サッカー部員14名,一般大学生12名.〔方法〕野球部員の肩甲骨位置は,肩甲骨挙上/下制と肩甲骨回旋について測定し,サッカー部員,一般大学生と比較した.次に全対象者を肩甲骨位置により挙上/下制の別,回旋の上方/下方の別の基準で群分けし,群間で肩関節内外旋筋力を比較した.〔結果〕野球部員の肩甲骨位置は,一般大学生と比較し下制位にあった.肩甲骨挙上群の肩関節外旋筋力が他の群と比較し有意に高かったが,肩甲骨回旋との相互関係は認めなかった.〔結語〕静止立位での肩甲骨位置の変化が,肩関節外旋筋の筋出力に影響することが示唆された.
  • 岡田 啓太, 工藤 慎太郎, 小松 真一, 川村 和之, 村田 薫克, 笠原 秀則, 小林 純二, 川口 江利子, 加藤 芳司, 山北 和幸
    2012 年 27 巻 4 号 p. 367-371
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕客観的臨床能力試験(OSCE)における試験官と模擬患者(SP)の評価の関連性を検討した.〔対象〕臨床実習を終了した学生47名とした.〔方法〕試験官とSPの評価結果から平均得点率を算出し,対応のあるt検定を用いて検討した.また,各Stationにおける試験官とSPの相関関係について,spearmanの順位相関係数を用いて検討した.〔結果〕試験官の得点率に比べ,SPの得点率が有意に低かった.試験官とSPの相関関係について,医療面接のStationは高くなり,評価・訓練のStationでは中等度から低い相関となった.〔結語〕OSCEにおける試験官の客観的評価は,SPの主観的評価より過大に評価する傾向があると思われた.つまり,試験官では評価できない技能をSPは評価していると考えられた.
  • 八木 優英, 鈴木 謙太郎, 阿南 雅也, 新小田 幸一
    2012 年 27 巻 4 号 p. 373-377
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は,足関節機能的不安定性(FAI)を有する者の片脚立位時の運動学的および運動力学的な特徴を明らかにすることを目的として行った.〔対象〕片側足関節にFAIを有する若年成人11人(男性9人,女性2人)を対象にし,患側と健側で比較した.〔方法〕課題動作は側方一歩移動後の片脚立位とし,運動学的および運動力学的情報を3次元動作解析システムおよび床反力計にて計測・解析した.〔結果〕後行肢股関節外転運動中の内部股関節内転モーメントの積分値,先行肢内部股関節内転モーメントの積分値,後行肢離床後の股関節内外転・体幹側屈の角度変化量・角速度は患側が健側より有意に高値を示した.さらに動作時間は患側が健側より有意に延長した.〔結語〕患側条件において,後行肢での身体重心の制動を強め動作を行ったが,股関節・体幹を多く用いた姿勢制御を行い,動作に時間を要した.
  • 野添 匡史, 間瀬 教史, 村上 茂史, 岡田 誠, 荻野 智之, 松下 和弘, 和田 智弘, 眞渕 敏, 島田 憲二, 福田 能啓, 道免 ...
    2012 年 27 巻 4 号 p. 379-383
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者と間質性肺炎(IP)患者の安静時,運動時呼気Flow-Volume (FV)曲線の形状を検討する.〔対象〕COPD患者9例,IP患者8例.〔方法〕安静時及び自転車エルゴメーター駆動中のFV曲線を作成し,呼気流量制限,肺気量位変化,呼気FV曲線の形状をCOPD患者とIP患者でその変化を比較した.〔結果〕COPD患者においては呼気流量制限,動的肺過膨張がみられやすく,呼気FV曲線の形状は運動に伴って凹型を示しやすかった.IP患者においては呼気流量制限が生じにくく,呼気FV曲線の形状は安静時,最大運動時ともに凸型であった.〔結語〕COPD患者はIP患者よりも運動時に呼気FV曲線の形状は凹型を示しやすい.
  • 山田 洋一, 丸山 仁司
    2012 年 27 巻 4 号 p. 385-389
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕理学療法士の育成課題を抽出するため,理学療法士の自己認識を分析した.〔対象と方法〕静岡県内の医療施設に勤務する理学療法士67名とした.「自己認識質問紙」を用い調査を行い,解析した.〔結果〕「一人前」に到達するまでの年数は平均9.98±4.24年であった.「治療技術」と「学術」の重要度では,経験年数が低いほど「治療技術」の修得を必要と感じている者が多く,自身の達成度や組織の満足度に課題のあることが示された.〔結語〕臨床における業務の中心は,患者と向き合い,理学療法を通して,医学的側面から患者の社会適応性を高めることである理学療法士としての現在の自分の達成度が30.6±19.0%という状況をみると,組織や個人の需要に応じた職業支援に加え,自身のキャリア向上に向けたプログラムの開発が望まれる.
  • 八谷 瑞紀, 村田 伸, 熊野 亘, 前田 弘美, 能隅 良子, 溝上 昭宏
    2012 年 27 巻 4 号 p. 391-395
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕虚弱高齢者用10秒椅子立ち上がりテスト(Frail CS-10)がパーキンソン病患者に応用可能か否かを検討した.〔対象〕パーキンソン病患者21名とした.〔方法〕Frail CS-10と従来から下肢筋力の代表値として用いられている大腿四頭筋筋力を測定し,下肢機能の指標(重心動揺,TUG,5 m最速歩行,10 m障害物歩行,FIM-M)との関連を検討した.〔結果〕Frail CS-10はTUG,10 m障害物歩行およびFIM-Mとの間に有意な相関を示した.一方,大腿四頭筋筋力は,すべての身体機能との間に有意な相関を示さなかった.〔結語〕従来から下肢筋力の代表値として用いられている大腿四頭筋筋力よりもFrail CS-10の方が,パーキンソン病患者の下肢機能を推測するための簡便な評価法である.
  • 城下 貴司, 福林 徹
    2012 年 27 巻 4 号 p. 397-400
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕足趾機能は重要とされているが未知な部分も多い.我々は足趾機能の臨床研究や筋電図解析を行ってきた.しかしながら足趾機能と足内側縦アーチ(MLA)の関係はわかっていない.本研究の目的は足趾エクササイズとMLAの関係を検討することである.〔対象〕健常者20名,20足,平均年齢22.5±3.6歳とした.〔方法〕被験者にはタオルギャザリングエクササイズ(TGE)と3種類の足趾エクササイズ(母趾底屈エクササイズ,2から5趾底屈エクササイズ,3から5趾底屈エクササイズ)をランダムに行い,各々の足趾エクササイズ前後にNavicular Drop (ND)を計測し比較した.〔結果〕介入前NDは4.34 mmであった,TGE後NDは4.94 mmで有意差を示さなかったが,母趾底屈エクササイズ後NDは5.25 mmで有意に低下した.2から5趾底屈エクササイズ後NDは3.07 mm,3から5趾底屈エクササイズ後NDは3.32 mmとなり各々有意にNDは低下しなかった.〔結語〕母趾底屈エクササイズはMLAを低下させた.TGEは特に変化を示さなかった.しかしながらその変化は母趾底屈エクササイズに類似した.一方で2から5趾底屈エクササイズ,3から5趾底屈エクササイズはMLAを高くする効果を示しMLAとの関係性を示した.
  • 今井 亮太, 中野 英樹, 森岡 周
    2012 年 27 巻 4 号 p. 401-405
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,物体の視覚的提示に伴う腱振動刺激による運動錯覚時の脳活動を明らかにすることとした.〔対象〕振動刺激によって錯覚を経験した際の錯覚強度が4以上であった11名を対象者とした.〔方法〕以下の3条件にて手関節総指伸筋腱を振動刺激した.条件1:物体提示なし.条件2:手関節を掌屈すれば物体に接触する距離に物体を提示.条件3:手関節を掌屈しても物体に接触しない距離に物体を提示.脳活動は,機能的近赤外分光装置を用いて測定した.〔結果〕条件1と条件3に比べ,条件2において右運動前野,右感覚運動野,右頭頂領域にoxy-Hbの有意な増加が認められた.〔結語〕物体の提示位置が異なることにより,運動錯覚時の脳活動が変化することが示唆された.
  • 細井 俊希, 藤田 博曉, 新井 智之, 石橋 英明
    2012 年 27 巻 4 号 p. 407-410
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕運動を継続した地域在住高齢者の運動機能の特徴を明らかにすること.〔対象〕地域在住高齢者で,地域での運動に関する講習会に参加した231名.〔方法〕研究開始時に,運動機能に関する7項目のチェック(ロコチェック)を実施し,そのうちひとつでも当てはまる者を,ロコモ陽性とした.週1回以上のロコトレを継続していた者を継続群,その他を非継続群とし,運動機能を比較した.また,継続群/全対象者を「運動継続率」として算出した.〔結果〕継続群では非継続群に比べ,「ロコモ陽性」の割合が有意に高かった.〔結語〕継続群では非継続群に比べ,ロコモの割合が高かったことから,ロコチェックにより自分がロコモであるという自覚が,その後の運動継続につながっていると考えられる.なお,運動継続率は69.3%であった.
  • 水本 淳, 島田 裕之, 井平 光, 野村 知広, 古名 丈人, 鈴川 芽久美
    2012 年 27 巻 4 号 p. 411-415
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕Biostepのアイソキネティック運動時の筋パワーと筋活動特性との関連を調べ,速度条件による活動特性の違いを検討した.〔対象と方法〕高齢女性12名に対し60 steps / minと90 steps / min駆動時の筋パワーと表面筋電図を測定した.筋電図はウェーブレット変換を行った後,MPF,LF/TP,HF/TPを算出した.各変数の相関分析と,条件比較のためwilcoxon検定を行った.〔結果〕60 stepの筋パワーと前脛骨筋のLF/TPの間に有意な正の相関を認めた.内側広筋,前脛骨筋のMPF,HF/TPが90 stepで有意に高かった.〔結語〕90 stepの運動において速筋線維の活動が増加することが推察され,加齢による速筋線維の萎縮に対して高速運動が有効であると考えられた.
  • 田鍋 拓也, 山本 浩由, 有吉 雄司, 松本 彬, 籾井 佑都, 古賀 麻奈美, 芳野 千尋, 甲斐 悟
    2012 年 27 巻 4 号 p. 417-420
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕素早い垂直跳び動作での体幹筋及び下肢筋の筋活動開始時期を明らかにすることを目的とした.〔対象〕健常男性12名(平均22.3±0.8歳)とした.〔方法〕前方の赤色灯が点灯したら,できるだけ素早く跳躍する課題を行い,全身反応時間(光刺激から両足部離床までの時間)と筋活動(内腹斜筋,多裂筋,腓腹筋,大腿二頭筋の電位変化)を計測した.〔結果〕全身反応時間の早さと筋活動開始時期との相関は,内腹斜筋に認められた.4筋間の筋活動開始時期においては,有意差は認められず,有意に早く活動する筋は認められなかった.〔結語〕内腹斜筋の筋活動開始が早い人は,全身反応時間が短く,素早い垂直跳び動作を可能とした.そして,4筋の筋活動開始時期は,ほぼ同じであることが明らかになった.
  • 藤野 雄次, 秦 和文, 花房 祐輔, 石原 俊一, 間嶋 満
    2012 年 27 巻 4 号 p. 421-425
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳卒中急性期の身体機能と当院退院時の歩行能力との関係について検討した.〔対象〕脳卒中患者137例とした.〔方法〕歩行の予後を決定する因子として,Trunk Control Test(TCT),Japan Stroke Scale- Motor(JSS-M),疾患(脳梗塞or脳出血),年齢を発症5日以内に評価した.これら4変数を用い,退院時の歩行の自立/非自立について判別分析を行った.〔結果〕判別分析の結果,これら4変数と歩行の自立/非自立との間に非常に高い関連性を認め,歩行の自立は93.0%,非自立は93.3%で判別が可能であった.〔結語〕TCT,JSS-M,疾患,年齢の4変数を用いることで急性期に歩行の予後を決定する際の有用な指標になることが示唆された.
  • 北地 雄, 原 辰成, 佐藤 優史, 原島 宏明, 宮野 佐年
    2012 年 27 巻 4 号 p. 427-432
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕Timed Up and Go test(以下,TUG)の試行間の変動から歩行自立度を予測すること.〔対象〕脳血管疾患後片麻痺者42名とした.〔方法〕TUGを2回繰り返して計測した.遂行時間の変動は1試行目と2試行目の差(以下,それぞれTUG快適差とTUG最大差)と,遂行時間で調整した1,2試行目の差として算出した.〔結果〕歩行自立度はTUG快適差とTUG最大差が関連していた(オッズ比は9.6倍と56.2倍).感度および特異度はTUG快適差とTUG最大差でともに高値を示した.〔結語〕TUGの試行間の変動が1秒以上であると歩行が自立していない可能性がある.
  • 北村 菜月, 佐藤 拓, 川越 厚良, 坂田 俊一, 清川 憲孝, 菅原 慶勇, 高橋 仁美, 佐竹 將宏, 塩谷 隆信
    2012 年 27 巻 4 号 p. 433-437
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕傾斜器機能を有する3軸加速度計を用いて姿勢・動作ごとの身体活動時間を測定するために必要な日数を検討することを目的とした.〔対象〕健常学生16名を対象とした.〔方法〕本機器を装着した対象者の姿勢・動作ごとの時間を一週間毎日測定し,曜日ごとの各姿勢・動作時間を比較するとともに,必要な測定日数を求めた.〔結果〕一日の各姿勢・動作時間は,平均で歩行141分,立位68分,坐位466分,臥位40分であった.臥位時間は,月曜日,火曜日,木曜日,金曜日に比較して日曜日で有意に長かった.歩行,立位時間では測定日数が7日間,坐位,臥位時間では6日間で有意な級内相関係数が得られた.〔結語〕本機器により姿勢・動作ごとの生活活動時間を毎日測定することで,若年健常者の身体活動時間を評価するには,歩行と立位については7日間,坐位と臥位については6日間の評価日数が必要であることが示唆された.
  • 重島 晃史, 半田 健壽, 藤原 孝之, 小駒 喜郎, 小松 弘典, 熊谷 匡紘, 川畑 志乃, 森国 裕, 川島 隆史
    2012 年 27 巻 4 号 p. 439-443
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ビデオブラウザ(VB)を用いた歩行のステップ時間および歩幅の簡易的測定の同時的妥当性および評価者内・間信頼性を検討した.〔対象〕被検者は健常成人女性10名,各変数の評価者は理学療法士と理学療法学科学生の2名とした.〔方法〕歩行条件は正常歩行および装具歩行とし,10 m歩行路を快適速度で歩いた時の歩行場面をビデオ撮影した.ビデオ画像から三次元動作解析装置(3D)およびVBを用いて計測されたステップ時間,歩幅について,それらの妥当性及び信頼性を評価した.〔結果〕各歩行条件で3DとVBとの間に有意な回帰係数を示し,級内相関係数は0.78~1.00,誤差値は低値を示した.〔結語〕VBを用いたステップ時間および歩幅の測定は簡便で客観性及び経済性を有し,歩行障害を呈する症例の歩行分析に臨床場面で有用である.
  • 木村 公喜, 辻 聡司
    2012 年 27 巻 4 号 p. 445-449
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は,バランス因子を問われるスポーツ種目従事者と一般の者における綱を活用した動的一過性技術練習が,閉眼片足立ち時間,綱渡り距離と時間に及ぼす影響を検討した.〔対象〕アイスホッケー男子国体選手7人(平均年齢21.3歳)と一般男子9人(平均年齢24.7歳)とした.〔方法〕綱上を歩く練習を実施し,その前後において閉眼片足立ち時間,および綱上を渡る距離と時間を測った.綱渡り距離と片足立ち時間の比較は,群内は対応のあるt検定で,群間はWelchのt検定で評価した.〔結果〕練習前後で,選手群は左足による閉眼片足立ち,綱渡り距離,時間が有意に増加した.一般群は,綱渡り距離と時間が顕著に増加した.〔結語〕今後は,安全で効果的なバランスプログラム作成へと進めたい.
  • 藤野 雄次, 網本 和, 小泉 裕一, 深田 和浩, 佐藤 大, 門叶 由美, 大塚 由華利, 並木 未来, 外山 洋平, 高石 真二郎, ...
    2012 年 27 巻 4 号 p. 451-455
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕側方傾斜面上における座位での側方移動練習が体幹の角度と筋活動に及ぼす即時的効果を明らかにすることである.〔対象〕発症早期の脳梗塞患者20例とした.〔方法〕対象を,練習中の座位が側方傾斜面上とする群と水平面上とする群に分類し,麻痺側から非麻痺側への座位側方移動練習を行わせた.効果測定のための課題は水平面上での安静座位と左右最大側方移動とし,体幹角度と筋活動量を介入前後に測定した.〔結果〕麻痺側移動時の側屈角度は,両群とも介入後に有意に減少した.傾斜面で練習した群の非麻痺側移動時の麻痺側外腹斜筋の活動量は,介入後に有意に増加したが,水平面で練習した群では変化しなかった.〔結語〕側方傾斜面上での座位練習は麻痺側外腹斜筋の活動を活性化させる.
  • 藤田 康孝, 土屋 翔大, 清水 拓也, 小泉 友里, 小池 琢哉, 笠井 信
    2012 年 27 巻 4 号 p. 457-460
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕85歳以上の超高齢者の大腿骨近位部骨折患者の自宅退院に関連する因子を検討すること.〔対象〕85歳以上の大腿骨近位部骨折患者21例とした.〔方法〕対象者を転帰別(自宅群,非自宅群)に分け診療録より得られた年齢,在院日数,骨折型,認知症の有無,合併症の有無,受傷前および退院後介護保険利用の有無,受傷前および退院時のFunctional Independence Measure (FIM),退院時移動手段,同居家族を群間で比較した.〔結果〕自宅群では非自宅群に比べて受傷前介護保険利用が少なく,受傷前FIMのセルフケア,移乗および移動,退院時FIMの排泄コントロール,移乗および移動の項目で評価点数が高く,歩行による移動手段を多く獲得していた.〔結語〕受傷前Activities of Daily Living (ADL)が高く,退院時に歩行を獲得し排泄コントロールが良好なことは自宅退院の可能性を高める.
  • ??井 好美1,2, 石井 慎一郎, 前田 眞冶
    2012 年 27 巻 4 号 p. 461-464
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕両脚着地動作を解析し前十字靭帯非接触型損傷が女性に多い原因を検討することとする.〔対象〕健常人男女各10名とした.〔方法〕Point Cluster法を用いて両脚着地動作における脛骨の回旋方向と角度,前方移動量を計測した.〔結果〕女性の脛骨内旋角度は男性と比較して有意に大きく早い時期に内旋角度が最大になったが,脛骨の前方移動量には男女差はみられなかった.〔結語〕女性は前十字靭帯と後十字靭帯とのインピンジメントが起こりやすく前十字靭帯の剪断力が増加することがわかった.
  • 浜岡 克伺, 吉本 好延, 橋本 豊年, 佐藤 厚
    2012 年 27 巻 4 号 p. 465-468
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は,在宅脳卒中患者におけるADL能力の変化に関連する生活範囲の影響について検討することであった.〔対象〕在宅脳卒中患者117名とした.〔方法〕質問紙を用いて,1年間の追跡調査を実施した.また,町内までの活動を1~3回/週以上・未満で高活動者と低活動者に分類した.統計解析は,対応のないt検定,Mann-WhitneyのU検定,相関分析,重回帰分析を行った.〔結果〕BIの変化量は,低活動者,要介護認定有りの対象者が有意に低値を認め,生活範囲が独立した因子として抽出された.〔結語〕在宅脳卒中患者に対してADL能力の維持・向上させるためには,町内までの活動を1~3回/週以上行うことが必要であると示唆された.
  • 牧浦 大祐, 小野 玲, 井上 順一朗, 柏 美由紀, 宇佐美 眞, 中村 哲, 今西 達也, 黒田 大介, 三浦 靖史
    2012 年 27 巻 4 号 p. 469-474
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕食道癌患者の周術期の身体機能と倦怠感,健康関連QOLの関連を検討した.〔方法〕食道切除再建術を施行した食道癌患者45名を対象に,6分間歩行距離と倦怠感,健康関連QOLを術前と退院時に評価し,それぞれの変化の相関を検討した.倦怠感はCancer Fatigue Scale (CFS),健康関連QOLはFunctional Assessment of Cancer Therapy-General (FACT-G)により評価した.〔結果〕6分間歩行距離の低下は,身体的倦怠感の増加と負の相関を示し(r=-0.29),身体的健康感の低下と正の相関を示した(r=0.31).〔結語〕食道癌患者の周術期において,全身持久力低下が小さいほど倦怠感の増加や健康関連QOLの低下が小さいことが示唆された.
  • 鈴木 哲, 木村 愛子, 田中 亮, 渡邉 進
    2012 年 27 巻 4 号 p. 475-478
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕Back Beliefs Questionnaire日本語版(BBQ日本語版)の作成および信頼性と妥当性の検討すること.〔対象〕腰痛の訴えのある介護職員127名とした.〔方法〕BBQ日本語版の,信頼性として内的一貫性を,妥当性としてBBQ日本語版の得点と,業務遂行能力,ADL能力および腰痛の程度との相関をそれぞれ分析した.〔結果〕BBQ日本語版におけるα係数は0.82であった.BBQ日本語版の得点と業務遂行能力およびADL能力との間に有意な負の相関がみられたが,腰痛の程度との間には有意な相関はみられなかった.〔結語〕BBQ日本語版による評価法は原版と同等の信頼性および妥当性をもつ.
  • 加藤浩
    2012 年 27 巻 4 号 p. 479-483
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕術後の変形性股関節症(変股症)患者に対し,踵接地を意識させた部分荷重歩行訓練が股関節外転筋筋活動に及ぼす影響を表面筋電図を用いて検討することである.〔対象〕変股症患者10例と健常者10例とした.〔方法〕積分筋電図解析とwavelet周波数解析を用い歩行時に踵接地を意識した歩行と意識しない歩行とで,中殿筋の筋活動の程度を示す指標を比較した.〔結果〕歩行時に踵接地を意識することで変股症患者の中殿筋における筋活動の程度は有意に増大した.〔結語〕踵接地を意識させた歩行訓練は,股関節外転筋の量的及び質的トレーニングに有効な手段となり得る.
  • 藤田 大介, 小原 謙一, 大坂 裕, 渡邉 進, 福田 淳, 鈴木 哲, 吉岡 健太郎, 嘉田 将典, 高尾 英次, 森脇 拓郎
    2012 年 27 巻 4 号 p. 485-488
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕簡易的な制御を用途として試作した骨盤後方サポートクッションを用い,この使用が姿勢に及ぼす影響を明らかにすることとした.〔対象〕健常成人11名および車いす利用者9名とした.〔方法〕骨盤後方サポートクッションと対照とする平面型クッションの2条件で,脊柱弯曲角と矢状面胸骨線,骨盤線の角度を測定し条件間で比較した.〔結果〕骨盤後方サポートクッションでは,腰椎前弯角および骨盤傾斜角,矢状面骨盤線の角度が有意に低値を示した.〔結語〕骨盤後方サポートクッションは,車いす上座位姿勢における骨盤後傾を制御する一つの手段となり得る.
  • 小野 武也, 沖 貞明, 井上 かおり, 梅井 凡子, 大田尾 浩, 石倉 英樹, 田坂 厚志, 林 一宏, 相原 一貴, 大塚 彰
    2012 年 27 巻 4 号 p. 489-491
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕関節可動域制限の発生を予防するために必要な関節運動時間を検討した.〔対象〕Wistar系ラット個体とした.〔方法〕右足関節底屈位固定時間の違いにより対象個体を,1週間連続固定するG 1,1日12時間固定するG 2,1日8時間固定するG 3および1日4時間固定するG 4に分けた.固定時間以外における右足関節の動きは自由とした.1週間後,固定を除去した時の右足関節の背屈角度を測定した.〔結果〕背屈角度の有意な差がGroup 4のみに認められた.〔結語〕関節拘縮発生予防のためには,20時間/日の関節運動が必要である.
  • 石田 弘, 正木 寛, 村上 大祐, 渡邉 進
    2012 年 27 巻 4 号 p. 493-496
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕内反捻挫後の運動療法の開発に資するため,踵を上げて行う足関節の運動方向が下腿筋活動に及ぼす影響を明らかにすることとした.〔対象〕健常成人男性10名とした.〔方法〕足関節について回外位での底背屈,底屈角度0°位での回内外,最大底屈位での回内外という3つの課題間で,腓腹筋内側頭,腓腹筋外側頭,長腓骨筋の筋活動量を比較した.〔結果〕腓腹筋内側頭と腓腹筋外側頭での筋活動量は,底屈角度0°位での回内外において他の課題に比べ有意に低い値を示した.長腓骨筋での筋活動量は,最大底屈位での回内外において他の課題に比べ有意に高い値を示した.〔結語〕下腿筋の筋力に応じ,踵を上げて行う足関節の運動方向を選択することが有用である.
  • 福山 勝彦, 丸山 仁司
    2012 年 27 巻 4 号 p. 497-502
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕浮き趾評価の信頼性と,動作場面を加味した浮き趾の抽出法について検討することとした.〔対象〕健常成人130名(男性58名,女性72名)を対象とした.〔方法〕Pedoscopeにて撮影した足底の画像から,浮き趾スコアの信頼性と,これをもとに分類したグループ分類の信頼性(κ係数)を求めた.また,動作時における接地状況の変化を分析し,この分類を再考した.〔結果〕浮き趾スコア,グループ分類の検者間信頼性,および浮き趾スコアの検者内信頼性は高い一致度を示した.また,安静時で浮き趾に分類された例でも,動作時では半数以上が完全に接地した.〔結語〕浮き趾の評価,抽出法の信頼性が確認できた.浮き趾例の足趾機能は動作時の接地状況も加味し検討する必要がある.
  • 渡辺 裕之, 鈴木 重行, 岩田 全広, 坂本 圭, 井上 貴行, 坂野 裕洋
    2012 年 27 巻 4 号 p. 503-508
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕健常ラットを対象として表面電極を用いた骨格筋経皮的電気刺激が糖代謝に及ぼす影響を検討した.〔対象〕9週齢のSD系雄性ラット29個体とした.全個体を,1日1回の電気刺激を7日間実施する群(7日群),1日のみ実施する群(1日群),麻酔のみを投与する群(con群)に振り分けた.〔方法〕電気刺激は大腿四頭筋に対し1日30分間麻酔下で実施した.介入の後,経静脈糖負荷試験(ivGTT)による糖消失率とeuglycemic clampによる糖注入率を群間で比較した.〔結果〕糖消失率は7日群が1日群及びcon群と比較して,糖注入率は7日群がcon群と比較して,有意に高値を示した.〔結語〕健常ラット骨格筋において繰り返される経皮的電気刺激は,耐糖能及びインスリン感受性を亢進させる.
報告
  • 若尾 勝, 福光 英彦, 田中 勇治, 徳村 拓哉, 星 虎男, 関根 義夫
    2012 年 27 巻 4 号 p. 509-513
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/07
    ジャーナル フリー
    〔目的〕Diagnosis Procedure Combination (DPC)導入前後での入院期間,理学療法開始時および終了時のBarthel Index (BI)への効果を分析すること.〔対象〕入院中に理学療法を実施した患者171名とした.〔方法〕DPC導入前後の,理学療法開始までの日数,理学療法実施日数,理学療法開始時および終了時のBIを比較した.さらにDPC導入と理学療法,それぞれの前後におけるBIの変化を,退院先別に分析した.〔結果〕DPC導入により,理学療法開始までの日数と理学療法実施日数の短縮,高いBIでの退院がみられた.また退院先四群間とそれぞれのBIで有意差を認めた.〔結語〕DPCが早期理学療法開始,入院期間短縮,高いBIでの退院につながり,さらに高いBIで理学療法を開始できれば,早い在宅復帰を見込むことができる.
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