2012 年 27 巻 4 号 p. 421-425
〔目的〕脳卒中急性期の身体機能と当院退院時の歩行能力との関係について検討した.〔対象〕脳卒中患者137例とした.〔方法〕歩行の予後を決定する因子として,Trunk Control Test(TCT),Japan Stroke Scale- Motor(JSS-M),疾患(脳梗塞or脳出血),年齢を発症5日以内に評価した.これら4変数を用い,退院時の歩行の自立/非自立について判別分析を行った.〔結果〕判別分析の結果,これら4変数と歩行の自立/非自立との間に非常に高い関連性を認め,歩行の自立は93.0%,非自立は93.3%で判別が可能であった.〔結語〕TCT,JSS-M,疾患,年齢の4変数を用いることで急性期に歩行の予後を決定する際の有用な指標になることが示唆された.