抄録
〔目的〕嚥下動態の視覚的,定量的評価法の開発に向けて新たに考案された超音波画像診断装置による画像と,マイクにより録音された嚥下音の周波数解析との組み合わせによる咽頭運動分析方法の妥当性と再現性を検討すること.〔対象〕健常成人4名とした.〔方法〕嚥下音の周波数解析と計測された咽頭運動時間の再現性を従来法である嚥下造影によるものと比較した.本研究の妥当性を検討するためにVFでも同様の測定を実施し比較検討を行った.〔結果〕超音波画像診断装置と音声マイクを用いた嚥下音の周波数解析は,最も咽頭運動の視覚的判断が優良であるVFを用いた測定値と比較して同程度の再現性が得られた.〔結語〕超音波画像診断装置を用いた評価は,誤嚥状態にある患者の定量的な評価手法として有効な手段であると考えられた.