理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
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27 巻, 5 号
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原著
  • 二本松 明
    2012 年 27 巻 5 号 p. 517-520
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ミラーボックス内で鍼通電刺激を行い,運動錯覚を起こした際の運動神経の興奮性の変化を脊髄前角細胞の興奮性の指標である誘発筋電図F波出頻度,振幅F/M比,F波平均潜時を指標に検討した.〔対象及び方法〕対象は神経疾患の無い右利きの健康成人13例とした.実験は利き手に鍼通電刺激を行い非利き手のF波を鏡有りと鏡無しの2実験を交互に4回行った.鍼通電刺激は第1背側骨間筋へ行い,刺激頻度1Hzで通電刺激を行った.誘発筋電図F波は正中神経にM波が出現する最大上刺激を行い,短母指外転筋から記録した.〔結果〕鏡有り実験では,鏡無し実験に比べ,F波出現頻度,振幅F/M比が増加し,F波平均潜時には大きな変化が認められなかった.〔結語〕鏡有り実験では鏡という視覚的情報と,鍼通電刺激による筋運動感覚という体性感覚情報が脊髄前角細胞に対して参加のみならず同期性に関しても影響することが判明した.
  • 草場 正彦, 大住 倫弘, 中野 英樹, 兒玉 隆之, 森岡 周
    2012 年 27 巻 5 号 p. 521-524
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳波計を使用し,上肢到達・把握運動における観察する部位の違いが観察者の脳活動に及ぼす影響を調査した.〔対象〕右利き健常者12名とした.〔方法〕上肢到達・把握運動全体の動画を観察した場合,上肢の近位部,遠位部をそれぞれ限定した動画を観察した場合の3条件を課題とし,安静時と比較した動画観察時のμ波の減衰効果を比較,検討した.〔結果〕すべての条件において,C3,C4領域で安静時と比較し,動画観察時にμLog比の減衰効果をみとめた.近位部と遠位部をそれぞれ限定して観察した場合と比較して動作全体を観察した場合の方が有意な減衰効果をみとめた.〔結語〕動作全体を観察することがミラーニューロンの活性化により強く関与すると考えられる.
  • 宮﨑 大地, 田鍋 拓也, 空閑 雄治, 佐々木 聖馬, 鬼丸 武士, 大金 容子, 甲斐 悟
    2012 年 27 巻 5 号 p. 525-527
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕努力性呼吸運動前後での内腹斜筋の筋活動と全身反応時間の変化を明らかにすることを目的とした.〔対象〕若年健常男性10名とした.〔方法〕2 m前方の赤色灯点灯後,可能な限り早く跳躍してもらい,光刺激から両足部離床までの時間と右側内腹斜筋の筋活動を記録した.努力性呼吸運動を行い,同様の跳躍課題を測定した.運動前後での全身反応時間,内腹斜筋収縮開始時期,そして内腹斜筋活動最大時期を比較した.〔結果〕全身反応時間は運動前後で342.7 msecから329.9 msecになり,有意差が認められた.内腹斜筋活動最大時期は運動前後で170.0 msecから148.0 msecになり,有意差が認められた.〔結語〕努力性呼吸運動は,内腹斜筋活動最大時期を改善させ,より素早い垂直跳び動作を可能とした.
  • 山出 宏一, 髙橋 精一郎, 後藤 純信
    2012 年 27 巻 5 号 p. 529-533
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕パーキンソン病(以下PD)患者に対する逆説性歩行訓練の効率的な歩幅を,複数の歩行条件から検討した.〔対象〕指示に従い自立歩行が可能なPD患者7名と高齢健常者10名とした.〔方法〕自由歩行と指標とする歩幅の異なる3種類の視覚的手がかりを利用した歩行の4つの条件で,歩幅,cadence,および速度を計測し条件間で比較した.〔結果〕PD患者は自由歩行において健常者に比べ歩幅が狭く歩行速度は遅いがcadenceには差がなかった.3種類の全ての視覚的手がかりによって歩幅が増加したが,指標とする歩幅が増加するに伴いcadenceが減少した.〔結語〕PD患者においては,健常者の自由歩行より狭い歩幅が逆説性歩行訓練に適している.
  • 吉原 圭祐, 浦辺 幸夫, 山中 悠紀
    2012 年 27 巻 5 号 p. 535-538
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,連続投球による筋疲労で投球中の肩関節外旋筋群は活動開始時間に変化が起こるかを明らかにすることである.〔対象〕野球歴5年以上の成人男性10名を対象とした.〔方法〕100球の全力投球前後で投球中の筋活動を記録した.最大随意収縮時の活動に対する割合(%MVC)の50%,100%,最大値に到るまでの時間を算出し比較した.〔結果〕投球前後で,50%,100%では活動開始時間はいずれの筋でも著明な変化は見られなかった.最大値では,小円筋のみ有意に遅延が起こり,その他の筋では有意な変化は得られなかった.〔結語〕投球による疲労により,各筋に筋力低下が認められ,活動開始時間の変化は筋により様々であった.
  • 内田 学, 原田 亜由美, 加藤 宗規
    2012 年 27 巻 5 号 p. 539--543
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕嚥下動態の視覚的,定量的評価法の開発に向けて新たに考案された超音波画像診断装置による画像と,マイクにより録音された嚥下音の周波数解析との組み合わせによる咽頭運動分析方法の妥当性と再現性を検討すること.〔対象〕健常成人4名とした.〔方法〕嚥下音の周波数解析と計測された咽頭運動時間の再現性を従来法である嚥下造影によるものと比較した.本研究の妥当性を検討するためにVFでも同様の測定を実施し比較検討を行った.〔結果〕超音波画像診断装置と音声マイクを用いた嚥下音の周波数解析は,最も咽頭運動の視覚的判断が優良であるVFを用いた測定値と比較して同程度の再現性が得られた.〔結語〕超音波画像診断装置を用いた評価は,誤嚥状態にある患者の定量的な評価手法として有効な手段であると考えられた.
  • 高橋 猛, Mohammod Monirul. ISLAM, 小泉 大亮, 成田 誠, 竹島 伸生
    2012 年 27 巻 5 号 p. 545-551
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕慢性脳卒中患者を対象に他動式マシンによる運動を指導し,機能的体力に及ぼす運動効果を検討した.〔対象〕対象は,慢性脳卒中の高齢者13名.〔方法〕最初の3か月間は観察期間(通常のデイケア),後半3か月間は他動式マシン運動を週2回指導した.効果指標は,アームカール(AC),チェアースタンド(CS),アップアンドゴー(UG),シットアンドリーチ(SR),バックスクラッチ(BS),ファンクショナルリーチ(FR),12分間歩行(TW)とした.〔結果〕観察期間はすべての項目で有意差は認められず,介入指導前後で,CS(32.3%↑),TW(55.0%↑),SR (5.3 cm↑)に改善が認められた.〔結語〕慢性脳卒中患者を対象に他動式マシンによる運動を指導したところ,下肢筋力と歩行能力に改善が示された.
  • 三秋 泰一, 大角 久美子, 楠戸 翔, 荒井 貴裕
    2012 年 27 巻 5 号 p. 553-557
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕6種類の最大膝伸展等尺性運動における内側広筋斜頭(VMO)の優先的活動の違いを検討した.〔対象〕健常女性18名〔方法〕従来の下肢伸展挙上(SLR),股関節最大外旋位でのSLR,膝関節60°屈曲位で脛骨中間位,最大外旋位,最大内旋位での膝関節伸展および股関節10°内転位での股関節内転の6種類の等尺性運動中のVMO,外側広筋(VL)の筋活動量と VMO/VL比を求めた.〔結果〕2種類のSLRより脛骨回旋を伴った膝伸展運動のVMO/VL比が有意に高かった.VMOの筋活動量は脛骨回旋を伴った3種類の膝伸展運動が他の3種類の運動より有意に高かった.〔結語〕VMOの優先的活動としては膝屈曲位からの膝伸展運動の有効性が示唆された.今後,膝伸展運動(膝屈曲位)での練習効果の検証が必要である.
  • ─超音波診断装置を使用して─
    伊藤 秀幸, 諸井 典子, 日高 雅仁, 古瀬 正志
    2012 年 27 巻 5 号 p. 559-563
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕超音波診断装置による側腹筋厚測定の検者内・検者間信頼性と信頼性保証に必要な測定回数を明らかにするために実施した.〔対象〕対象は健常男性15名とした.〔方法〕検者内信頼性は同一検者が2回測定し,検者間信頼性は3名の検者が1回測定した.信頼性はICC,SEM,MCIDにより検討し,高い信頼性の保証に必要な測定回数を算出した.〔結果〕検者間信頼性は検者内信頼性と比べて低値であった.検者間で0.57~0.77 mmの測定誤差が生じ,外腹斜筋1.59 mm,内腹斜筋2.15 mm,腹横筋1.77 mmより大きな変化は真の変化であると示唆された.k=1.0であり測定回数は1回で十分であることが示唆された.〔結語〕側腹筋厚測定は同一検査者が1回測定する方が信頼性は保証されると考えられた.
  • ─電極設置部位に着目して─
    徳田 光紀, 庄本 康治, 冨田 恭治
    2012 年 27 巻 5 号 p. 565-570
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕肩関節術後症例に対する経皮的電気刺激治療(TENS)の効果を電極設置部位に着目して比較検討することである.〔対象〕肩関節術後症例12名とした.〔方法〕TENS前,中,後の電流知覚閾値(CPT),疼痛強度(VAS),関節可動域(ROM)を評価した.TENSの電極設置は,疼痛部位の皮膚分節領域と一致させる方法(電極設置A)と一致させない方法(電極設置B)で実施した.〔結果〕電極設置Aでは,電極設置BよりもTENS中,TENS後に有意なCPTの上昇やVASの減少を認めた.また,ROMはどちらの電極設置でも改善された.〔結語〕肩関節術後症例に対するTENSは,疼痛部位の皮膚分節領域上に電極設置部位を一致させると効果的である.
  • 葛巻 歩, 照井 佳乃, 川越 厚良, 佐竹 將宏, 塩谷 隆信
    2012 年 27 巻 5 号 p. 571-575
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕2種類の加速度計により,座位での上肢活動レベルを判別した上で,上肢の1日の活動量を連続測定する方法の有効性を検討することを目的とした.〔対象〕実験1では健常学生10名を,実験2では健常学生19名を対象とした.〔方法〕実験1では,対象者に加速度計を装着した状態で,座位での活動の様子をビデオで記録した.次に加速度計で測定した時間とビデオで記録した時間から上肢の活動レベルを高,中及び低の3段階に判別した.実験2では,対象者の実際の日常生活での上肢活動量を2つの加速度計により測定し,1日の総座位時間,各活動レベルごとの上肢活動時間及び総座位時間に占める活動時間の割合を求めた.〔結果〕実験1の結果,加速度計およびビデオにより測定した時間はレベルの高い及び低い場合において非常に強い相関を示した.全ての活動レベルにおいて2つの測定値間には,加算誤差及び比例誤差を認めなかった.実験2の結果,若年健常者であっても低レベルの活動時間が全座位時間の大半を占めていることが明らかになった.〔結語〕2種類の加速度計を使用することで,座位における上肢の活動を3段階に判別できる.さらに,実際の日常生活における上肢の1日の活動量を活動レベル別に評価することが可能である.
  • ─肢位および頻度による影響─
    田村 陽, 池田 光範, 三浦 早織, 佐竹 將宏, 塩谷 隆信
    2012 年 27 巻 5 号 p. 577-581
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕咳嗽によるエネルギー消費量(EE)を測定し,肢位や動作頻度の影響を検討する.〔対象〕健常学生18名.〔方法〕咳嗽動作を最大吸気位から努力性に大きく2回連続して行うものを1セットとした.肢位(椅子座位,半臥位,背臥位)と1分間のセット数(10,20,30セット)を変え,EEを呼気ガスモニターで測定した.〔結果〕EEは,椅子座位では,10,20セットの咳嗽で,半臥位,背臥位では,10,20,30セットで有意に増加した.咳嗽によるEEの平均値は6.39±0.50(ml/kg/min)であり,安静時に比較してその増加率は62%だった.〔結語〕肢位や動作頻度による影響はないが,咳嗽のエネルギー消費量の増大は大きいため,咳嗽を有する患者の診療や治療場面では消費を抑えるための配慮が必要である.
  • 井上 優, 平上 尚吾, 佐藤 ゆかり, 原田 和宏, 香川 幸次郎
    2012 年 27 巻 5 号 p. 583-587
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳卒中患者のDynamic gait index(DGI)による二重課題処理能力評価の基準関連妥当性の検証.〔対象〕自力歩行が可能で認知機能に問題のない脳卒中患者17名.〔方法〕DGI,stops walking when talking test(SWWT),二重課題条件下のtimed up and go test,歩行速度,歩幅を評価した.基準関連妥当性は,DGI得点と二重課題条件下の結果との相関分析と,SWWTの結果から対象者を2群に分類し,DGI得点の2群間比較により検証した.〔結果〕DGI得点は二重課題条件下の結果と強い相関を示し,歩行継続群のDGI得点は歩行停止群に比べ有意に高かった.〔結語〕DGIは基準関連妥当性を有し,脳卒中患者の二重課題処理能力の評価に有用である.
  • ─特殊技術を用いた単純運動からの検討─
    加藤 勝行, 丸山 仁司
    2012 年 27 巻 5 号 p. 589-592
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕固有受容性神経筋促通技手技の中の8種のストレッチを用いる特殊技術(手技)による短期的持続効果を反応時間(RT)を用いて検討した.〔対象〕健常成人(男子40名)とした.〔方法〕特殊技術の中から一側性の関節運動(単純運動)に類した4つの技術のそれぞれを用い,PNF実施前後の肘の屈曲運動による測定を時系列的に測定し、その持続効果を検討した.〔結果〕特殊技術でのリズミックスタビリゼーション,コントラクトリラックス,ホールドリラックスのそれぞれの各群において実施前と比較しての間に最長5分後までRTを短縮する効果を認めた.リズミックイニシエーション群においては有意差は認めなかった.〔結語〕単純運動群での5分間の持続的RTの短縮が得られたことで理学療法技術における介入への応用が可能である.
  • 大塚 翔太, 中嶋 翔吾, 柏木 彩矢菜, 南 頼康, 森沢 知之, 高橋 哲也
    2012 年 27 巻 5 号 p. 593-598
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕どの程度の強度・時間でのストレッチが局所の血流を変化させ,筋酸素動態に変化を与えるかを調査することを目的とする.〔対象〕全ての測定プロトコルを完遂した健常大学生17名とした.〔方法〕下腿三頭筋に対し5ニュートンメートル(N・m)で60秒,5 N・mで120秒,10 N・mで60秒,10 N・mで120秒のストレッチ4パターンを無作為に合計4回行った.〔結果〕筋酸素動態は,10 N・mでのストレッチを120秒加えた方が有意な変化を示した.特に60秒~90秒間で,5 N・mと比べ有意な差を認めた.〔結語〕一定以上の時間・強度を用いないストレッチでは,ストレッチ中の筋血流制限やその後の反応性充血に乏しく,十分な代謝性の変化が得られないことが確認された.
  • ─2症例の報告─
    大住 倫弘, 草場 正彦, 植田 耕造, 中野 英樹, 森岡 周
    2012 年 27 巻 5 号 p. 599-602
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕今回,幻肢痛患者の質的な評価を行い,皮膚受容感覚に関連する幻肢痛であると判断した2症例に対して,早期から触圧覚識別課題を実施した結果を報告する.〔対象〕2症例とも糖尿病性壊疽に陥り下腿切断を施行した後に,皮膚受容感覚に関連する幻肢痛が出現していた.〔方法〕断端部にクッションにより触圧覚が与えられる部位の識別を行った.〔結果〕課題開始当初は2症例とも触圧覚の部位を正確に識別することが困難であったが,課題を行っていくことで識別可能となっていき,幻肢痛も消失した.〔結語〕症例の幻肢痛がどのような病態なのかを質的に評価した上で,介入方法をできるだけ早期に決定していくことの重要性が示唆された.
症例研究
  • ─超音波評価装置を用いた病態評価に基づいて─
    大矢 暢久, 富田 知也, 太田 裕敏, 川村 博文
    2012 年 27 巻 5 号 p. 603-608
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本症例研究では,滑膜炎および関節水腫の強い初期変形性膝関節症(膝OA)患者に対して,パルス超音波療法(US)を実施し,その有効性を検討した.〔対象〕症例は,左膝OAを呈した70歳代女性であった.〔方法〕パルスUSは,周波数1.0 MHz,出力0.5 W/cm2,照射時間率20%,照射時間10分間,12回(3回/週),4週間の条件で実施した.評価項目は,超音波評価装置を用いた評価,疼痛,関節可動域,筋力,JKOMとした.〔結果〕パルスUSにより,超音波評価装置を用いた評価での滑膜炎と関節水腫,疼痛,関節可動域,筋力,JKOMともに改善がみられた.〔結語〕パルスUSは,滑膜炎および関節水腫が強くみられる初期膝OA患者の消炎鎮痛に対して有効であることが示唆された.
紹介
  • 竹内 真太, 西田 裕介, 美津島 隆
    2012 年 27 巻 5 号 p. 609-616
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕運動中に観測される心拍リズムと運動リズム間の同期現象の解析を簡便なものにするため,表計算ソフトウェアMicrosoft Office Excelを用いた解析方法を紹介する.〔方法〕解析には歩行中の健常男性のデータを例として使用する.心電図とフットスイッチから,R波と踵接地の発生時刻を示した時系列データを抽出し,相対位相を算出する.次に,相対位相を縦軸,時間軸を横軸にした散布図(位相同期図)と,位相差を10個の区間に振り分けたヒストグラムを作成する.さらに,位相同期の強さを数値化した指標を算出する.最後に,サロゲートデータ法を用いた位相同期の偶然性の検討を行う.〔結語〕多くの理学療法士に利用可能なこのソフトウェアは,生体リズム間の同期現象に関する研究に応用可能である.
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