2014 年 29 巻 1 号 p. 69-74
〔目的〕介護予防の2次予防事業に参加した地域在住の虚弱高齢者の身体機能と健康関連QOLなどの精神心理的評価項目との関連を検証した.〔対象〕170名の地域在住高齢者(男性53名,女性117名,平均年齢78.6歳)を対象とした.〔方法〕評価項目は,歩行能力,バランス機能,筋力などの身体機能と,主観的健康観,健康関連QOL,うつ傾向などの精神心理的側面とした.身体機能と精神心理的要因の関係を年齢と性別を調整した偏相関係数で評価した.〔結果〕いくつかの身体機能と精神心理的要因の組み合わせは有意な相関関係を示したが,その強さは中等度以下であった.〔結語〕身体機能と精神心理的要因は何らかの関係があることが示唆される.しかし,明確な結論を得るためにはより多面的な解析が必要である.